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第十二話 圧倒、圧倒
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「逃げ切れる!俺たちの未来に希望が見えるぞ!」
男の心には喜びが渦巻いていた。
転移妨害の結界はあと少しで抜けられる。
そこを抜けてしまえば、すぐさま転移をして逃げることができる。
そうすれば任務達成。何一つ問題ない。
ただ男はあまりに浮かれ過ぎていたと言えるだろう。
突如として自身に降り落ちた稲妻に何の反応もできなかったのだから。


「くははは!!!」
「くそ!何度見ても無茶苦茶な攻撃だ!!」
地下100メートル。二人の戦闘はいまだに続いていた。
とはいっても、もしかしたら戦闘と呼べるほどの物ではなかったかもしれない。
無数のアクセルシューターがそこら中を飛び回り、相手に一切の隙を与えない。
相手もアクセルシューターを消し去ろうと懸命に抗戦するが、消した次の瞬間には誠也がすぐさまアクセルシューターを繰り出す。先ほどからその繰り返しが続いている。
「ははは!!反撃しなよ!テロリスト!」
「ちっ!付き合ってられるか!」
アクセルシューターによって蹂躙された地下の部屋は、徹底的に壊されていて施設の設備のほとんどが壊れて原形をとどめていない状態になっている。
「……一度離脱するのが賢明か。」
ぼそっと呟いた相手はすぐさま誠也の開けた大穴に向かう。
「逃がさないよ!」
部屋を飛び交っていた全てのアクセルシューターを差し向ける。
けれども相手はそれを巧妙に避けながらどんどん上に昇っていく。
誠也もすぐさま地面を蹴り出し、大穴から一つ上のフロアに昇る。
そしてそこからさらに大穴を通って一つ上のフロアに昇る。
誠也はこれをどんどん高速で繰り返していく。
空を飛べない以上、身体強化の魔法でこの程度はできる必要があったのだ。
そのまま相手にアクセルシューターを差し向けたまま、追いかけ続ける。
「ちぃ!」
高速で昇ってくる誠也に思い切り舌打ちをした後、相手は誠也めがけて全力の魔力砲を撃ちこむ。
「ショートバスター!!」
『Short buster』
けれども誠也はその砲撃をショートバスターの一撃で相殺する。
「くそっ!『最終兵器』の異名は伊達じゃないってか!」
自らの全力の魔力砲撃すら、威力を減らしたショートバスターの一つで相殺され、しかもその間もアクセルシューターの攻撃が止むことは一度もない。
幾つもの修羅場を乗り越えてきたと言えど、毒づかずにはいられなかった。
それほどに『最終兵器』という異名にふさわしい無茶苦茶ぶりであった。
「ディバインバスター!!」
『Divine buster』
「ちっくしょぉ!」
桜色の砲撃を間一髪で避ける。
回避。それに専念しなければ一瞬で落とされる。
それゆえに、常に自分の周囲を把握し続け、全ての攻撃をかわし続けていた。
けれどもそんな紙一重の戦いではいつか
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