第二部
第三章 〜群雄割拠〜
百六 〜白蓮の決断〜
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うお約束いただくんだな?」
「そうだ。それとて不遜の極みではあるが、後はお前の熱意次第であろう」
「……よし」
バシッと、白蓮は己の頬を叩いた。
そして、立ち上がると私の前までやって来た。
「如何した?」
「歳三。……私に、勇気をくれ」
「勇気だと?」
「ああ。身も心も、歳三のものにして欲しいんだ」
「…………」
「そりゃ私は愛紗や紫苑みたいに色気はないし、彩(張コウ)達みたいに取り柄もない女さ。だから、歳三からすれば魅力に乏しいかも知れない。けど」
「待て。お前の気持ちは以前にも受けている」
「わかっているさ。でも、あの時とは状況が違う。今度は、正真正銘歳三に愛して貰いたいんだ」
「白蓮……」
決して戯れではない事はわかる。
酒の勢いも多少はあろうが、発する言葉は真摯なものだ。
「駄目か?」
「……一つ、条件がある」
「……これの事か?」
そう言って、白蓮が懐から取り出した物。
何かの書簡のようだが……。
「見てくれ」
「わかった」
手渡されたそれを、広げてみた。
連判状……いや、違うな。
記された名は、愛紗、禀、風、星、疾風(徐晃)、彩、紫苑、霞。
「皆に、許しを得たのだな?」
「それが決まりなんだろう? だから、全員に頼んで廻ったんだ。私も、歳三に愛される一人に加えて欲しいと」
そこまで腹を括るとは。
……拒む理由など、最早あるまい。
「お前の決意、確かに受け取った。また明日、参るが良い」
「いや。今宵、この場で抱いてくれ」
「……何故、そう急ぐ?」
「折角の決意、少しでも鈍らせたくないんだ。確かに酔いは残っているが、身は清めてきたんだ」
「……うむ。ならばもう何も申さぬ」
「ありがとう、歳三」
やっと、白蓮の顔に笑みが浮かんだ。
「い、いいぞ」
一糸纏わぬ姿の白蓮が、寝台に横たわっている。
「あ、あのさ」
「何だ?」
「……灯り、消してくれないか? その、恥ずかしいからさ」
「だが、それではお前の顔が見えぬ」
「駄目か?」
「ああ、駄目だ」
腕で胸と下腹部を隠しながら、白蓮は私を睨み付ける。
「意地悪なのだな、歳三は」
「そうではない。女子はただ抱けば良いというのではない、その美しさも目に焼き付けたいだけだ」
途端に、白蓮の顔が真っ赤に染まる。
「バ、馬鹿! 第一、私の身体はそんなに……」
「自信がないか?」
「そりゃ……。歳三の女は、殆どが胸も大きいし、均整の取れた身体付きじゃないか。例外は風ぐらいだろ?」
「それは偶さかの事。それに、お前も十分均整が取れているではないか」
「そ、そうか?」
「嘘は申さぬ」
その言葉
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