第四十二話 因果の海で
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ぐにこう察した。
「成程、そうなんだ」
「そう思われているというのか」
「裏切りは常に個人的な感情によるものだ」
ギジェは今度は真理の一つを話していた。
「公で裏切る者なぞいない」
「そういえばあんたも」
「結局のところは、だな」
「私はギジェへの興味を抑えられない」
まさにその通りだというのである。
「そういうことだ」
「けれどそれでも」
レイは敵軍に攻撃を浴びせながらギジェに対して告げた。
「貴方は今ここにいる」
「むっ!?」
「私達と一緒にいる」
彼女が言うのはこのことだった。
「それは否定できない」
「それはか」
「そう、否定できない」
また言うのだった。
「私達の仲間であることは」
「自身の文明を裏切った私がか」
「そう。貴方は仲間」
レイはこのことを繰り返して言ってみせる。
「そのことは」
「否定できないというのか」
「それにイデオンに興味があるならよ」
ミレーヌも彼に言ってきた。
「イデオンと一緒に入る限り裏切らないってことよね」
「確かに」
それはまさにその通りだった。
「私は。イデと共にいたい、だから」
「ならそれでいいじゃない」
ミレーヌはあっけらかんとして述べてみせた。
「難しく考えずにね」
「そうなのか」
「そうよ。それじゃあ今はね」
「うむ、生き残る為に」
「耐えましょう、数は多いわ」
「大丈夫だよ」
グレートゼオライマーに乗っているマサトの言葉だ。
「この戦い、生き残れるよ」
「ええ、マサト君」
未久が応えた。
「DSドライブの発動はもうすぐよ」
「あと三分だね」
「それ位なら耐えられるから」
だからだというのである。
「充分に」
「敵の数もかなり減らしたし」
ここで、だった。グレートゼオライマーのメイオウ攻撃が炸裂した。そうしてそれによってバッフ=クラン軍のかなりの数を倒していた。
「これなら」
「あと二分よ」
時間はさらに進んだ。
「二分だけだから」
「生きられるね」
「ええ、そうよ」
「いいか、皆」
ベスもまた仲間達に告げる。
「あと二分耐えれば生きられる」
「ボアザン方面に向かおう」
モエラがソロシップの艦橋から告げる。
「DSドライブで」
「そういうことだ。今は耐えるんだ」
こうして戦いだった。二分経った。
「よし、今だ!」
「皆集まれ!」
「DSドライブ発動!」
ロンド=ベルの面々は一斉に集結した。そうしてだった。
光の中に消えた。その後にはバッフ=クラン軍だけが残された。
しかし彼等はだ。至って冷静であった。そうして。
「よし、それではだ」
「はい」
「友軍に連絡ですね」
「各宙域の軍に連絡しろ」
指揮官の言葉だ。
「そし
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