第四十二話 因果の海で
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の後でだ」
「一気に逃げる」
「そうするんですね」
「そのうえでボアザンに向かう」
彼はまた己の考えを告げた。
「わかったな」
「わかりました」
「それなら」
「我等の生きるも死ぬもここにある!」
大河の言葉は何時になく強いものだった。
「諸君、それではだ!」
「はい!」
「ここは!」
「生きる為に耐えるのだ!」
声がさらに強いものになっていた。
「わかったな!」
「では長官!」
スワンが大河に言う。
「全軍で!」
「包囲している敵を迎え撃つ!」
「了解デス!」
こうしてだった。彼等はその二百万の大軍を迎え撃った。すぐにその大軍が四方八方から殺到しそのうえでロンド=ベルに攻撃を仕掛けてきた。
「撃て!」
「撃ちまくれ!」
バッフ=クラン軍の将兵達が口々に叫ぶ。
「ここでロンド=ベルを倒せ!」
「そして巨神を手に入れろ!」
そして、であった。
「裏切り者を許すな!」
「何があろうともだ!」
「やはりな」
ギジェはその彼等の言葉を聞いて呟いた。
「私もまた、か」
「あんたも始末するつもりなんだな」
「そうだ」
こうコスモに対しても返す。
「それがバッフ=クランの鉄の規律だからだ」
「随分と厳しいんだな」
「国家、そして文明を維持する為にはだ」
だがギジェの言葉は冷静だった。
「それも必要なのだろう」
「何よ、それって」
カーシャはギジェのその言葉に対して言い返した。
「滅茶苦茶じゃない」
「そう思うのか」
「当たり前よ。裏切り者は許さないって」
「では聞くがだ」
「何よ」
今度はギジェの言葉に返していた。
「何かあるの?」
「君達は裏切り者を許すか」
こうロンド=ベルの面々に問うのだった。
「その時はだ」
「裏切り者を?」
「自分達への裏切りをだ。許すか」
「馬鹿なこと言うんじゃねえよ」
彼のその言葉に反論したのは忍だった。
「俺達はシャピロの野郎を絶対に許しはしねえ」
「そうだな」
「ああ、あいつだけは許さねえ」
忍は忌々しげな口調でギジェに述べていた。
「絶対にだ」
「そういうことだ。シャピロ=キーツだったな」
ギジェはシャピロのその名前も口にしてみせた。
「調べさせてもらった」
「それでどうだっていうのさ」
「嫌な男だな」
沙羅に告げた言葉はこれだった。
「己が神になろうというのか」
「その為に理由をつけてあたし達を裏切ったんだよ」
沙羅もありのまま話してみせる。
「あいつはそういう奴だったんだよ」
「私もそう見られているのだ」
ギジェはロンド=ベルの面々に簡潔に述べてみせた。
「己の私利私欲の為にだ」
「バッフ=クランを裏切った」
「そういうことか」
雅人と亮はす
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