第四十話 イデへの心
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もファードに対して告げる。
「男の子だからね」
「わかったよ、ラポー」
「じゃあ皆を頼んだぞ」
「うん、モエラもね」
「頑張ってきてね」
「ああ、それじゃあな」
モエラは二人の言葉を受けてだ。笑顔で戦場に向かった。そうして。
ファードはモエラがいなくなるとだ。ラポーに対して問うた。
「ねえ、ラポー」
「どうしたの?今度は」
「ラポーってね」
そのラポーを見ながらの言葉だ。
「モエラのこと好きなの?」
「えっ!?」
「それはどうなの?」
こう彼女に問うたのである。
「それは」
「それは言わないでね」
ラポーはくすりと笑ってファードに告げた。
「今はね」
「今はなの?」
「そう、今はね」
今はこう言うだけだった。
「それで御願いね」
「うん、わかったよ」
ファードはよくわからなかったがこう返した。
「僕今は黙っているよ」
「この戦いが終わったら」
ラポーは一人決意していた。
「きっとね」
そしてだ。コスモがようやく来たのだった。
「済まない!遅れた!」
「何遅れてるのよ!」
そのコスモにカーシャが怒る。
「キッチンなんて子と!」
「あれ?ヤキモチかよ」
「おふざけじゃないの!今戦争してるのよ!」
こう言って感情を隠す。
「あんたもそれわかってない訳じゃないでしょ!」
「ま、まあそれはな」
「本当に何やってるのよ」
また怒るカーシャだった。
「いつものコスモじゃないみたいよ」
「悪い、本当に」
「よし、行くぞ」
二人にモエラが言ってきた。
「出撃が遅れた分は戦いで取り戻すぞ」
「え、ええ」
「そうだな」
「俺がいる限りだ」
モエラの言葉が強くなる。
「ソロシップは守り抜いてみせる!」
「どうしたんだモエラ」
コスモは彼が普段と様子が違うことに気付いた。
「急にそんなことを言って」
「何かおかしいのか?」
「守り方が気に入らないのか?」
怪訝な顔でモエラに問うのだった。
「今の守り方が」
「いや、そうじゃないがな」
「じゃあどうしたんだ?」
「俺は今まで人間の運命を悪い方に考えていた」
「運命?」
「ああ、悪い方に考え過ぎていた」
ラポーやファードとの話を受けてのことである。
「だがそれももう止めた」
「何をなの?」
デクが問うた。
「よくわからないんだけれど」
「俺はいい運命もあることがわかったんだ」
微笑んでの言葉だった。
「だからな」
「いい運命が?」
「ラポーなんて子がいることに気付かなかった」
今度の言葉はこれだった。
「今までな」
「ラポーのことが好きなのか」
「駄目か?」
「いや」
コスモはそれはいいとした。しかしだった。
「ただな」
「ただ。何だよ
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