第四十話 イデへの心
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「ロッタ、リン」
レイカが二人に対して言っていた。
「子供達を安全な場所に」
「そうね。こっちよ」
「来て」
二人はそれを受けてだ。すぐに子供達を連れて行く。
「アーシュラ、ファード」
「こっちだから」
「リン」
ロッタはその中でリンに対して言った。
「ルウを御願い」
「ええん、じゃあ」
「ファード、行きましょう」
ラポーがファードの手を取った。
「こっちよ。急いで」
「で、でも・・・・・・」
「行こうよ」
アーシュラもファードに対して言う。
「早く」
「けれど・・・・・・」
「何やってんだよ!」
トッポがそのファードにたまりかねて言った。
「腰でも抜けたのかよ!」
「怖い、怖いよ!」
「そんなこと言ってる場合じゃないわよ」
ビューティがそのファードに対して言った。
「今は」
「おいファード!」
そこにだ。偶然モエラが来た。そうしてファードに怒った。
「御前はさっきの話が何もわかってないのか!」
「モエラ・・・・・・」
「アーシュラだって頑張ってるのに御前は!」
「モエラ!」
「でも、でも・・・・・・」
「そんなことでどうする!」
「モエラ、待って!」
ラポーがここでも注意した。
「小言ばかりじゃファードみたいな子は」
「こいつを見てるとイライラしてくるんだ」
しかしモエラはまだ言う。
「昔の俺みたいでさ」
「順々に教えていかないと」
「駄目だっていうのかい?」
「ええ」
そうだというラポーだった。
「だからね」
「くっ、わかったよ」
モエラも今は頷くしかなかった。そうしてだ。
ファードに顔を向けてだ。こう告げた。
「アーシュラに負けるなよ」
「・・・・・・・・・」
「負けないわよね。ファード」
ラポーはここでも優しかった。
「そうよね」
「う、うん」
「バッフクランが俺が叩く」
モエラはまたファードに対して告げた。
「ファード、御前は皆を頼むぞ」
「うん、じゃあモエラ」
ファードはここでだ。モエラにあるものを差し出した。それは。
「これ持って行って」
「これは」
モエラはその人形を見てだ。すぐに気付いた。
「ファードが大事にしている人形じゃないか」
「うん、これがなくてもね」
そして言うのだった。
「僕、頑張るよ」
「いいのか?」
「うん」
モエラに対してこくりと頷いてみせた。
「大丈夫だからよ」
「よし、わかった」
モエラもだ。意を決してその人形を受け取った。
「なら行って来る」
「行ってらっしゃい」
「はじめは辛いかも知れないけれどな」
ファードの心を見てだ。モエラもここで優しい顔になって告げた。
「頑張るんだ」
「うん」
「そうよ、ファード」
ラポー
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