第三十四話 マザーズ=ララバイ
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た。
「いいわよ」
「よくわかった。それではな」
「ええ、それじゃあね」
「仲間達のところに戻る」
こう告げて彼から踵を返した。
「これでな」
「仲間、ね」
男はブレラの今の言葉に今度は唇の右端を歪めさせた。そのうえでの言葉だった。
「馴染んでるわね」
「悪いか」
「いいえ、ただ」
「ただ、か」
「バジュラとあの娘のことを忘れてなければいいわ」
今言うのはこれだけであった。
「それだとね」
「それでいいのか」
「ええ、今はね」
こう言うのであった。
「それだけでいいわ」
「そうか」
「そしてね」
男はまた話した。
「時が来ればね」
「わかった、それではな」
「そういうことでね。それじゃあ」
男はここまで話して姿を消した。後に残ったブレラも今は静かにしていた。戦いはこれで終わった。しかしまだ謎はくすぶり続けていた。
第三十四話 完
2010・6・7
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