第三十四話 マザーズ=ララバイ
[8/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
お酒はなくてはならないものよ」
ユングはこう主張する。
「だからこそね」
「これが飲めないなんてね」
トカマクもウォッカをストレートで美味そうに飲んでいる。
「悲しいね」
「そうよね、本当に」
「恐るべし、ロシア人」
「全く」
皆これに唖然となる。そんな戦いの後の一場面だった。
そしてだ。ブレラはだ。一人の紫の髪の男と話をしていた。
「上手くいったわね」
「いったか」
「ええ、いったわ」
何故かだ。男の口調は女のものだった。それで話すのである。
「あれでよしとするか」
「ガリア4はいいのか」
「ガリア4以外にも巣はあるわ」
こう言うだけだった。
「だから。いいわ」
「そうか」
「それでもゲッターの力は予想外だったけれどね」
「あれはな。確かにな」
「バジュラにとってあれは驚異になるわ」
「では今のうちに」
「何とか私達のものにしたいけれど」
男はここでこう述べた。
「それはどうかしら」
「好きにすればいい」
今はこう言うだけのブレラだった。
「制御できればな」
「してみせるわ」
「してみせるか」
「そうよ、必ずね」
言葉が不敵なものになっていた。
「そうするわ」
「ならそうするといい」
ブレラはその言葉に素っ気無く返した。
「俺は特に何も言わない」
「そうなの」
「俺はこのまま続けさせてもらう」
主張はこれだけだった。
「このままな」
「それじゃあこれかもなのね」
「ランカを護らせてもらう」
これがだ。今の彼がすることだというのであった。
「それでいいな」
「ええ、いいわ」
男もそれを許すのだった。
「それじゃあね」
「わかった。それではな」
「話はこれで終わりよ」
男は微笑みを見せてもきた。
「それじゃあね」
「帰るのか」
「待たせている娘がいるから」
「彼女を何時まで利用する」
ブレラは彼を見てだ。問いもしてきた。
「何時までだ。何時までそうする」
「利用できるまでよ」
唇の左端を歪めさせての言葉だった。
「それまでよ」
「それまでか」
「手駒は利用できるだけ利用する」
また言った。
「それが基本ではなくて?」
「好きになれないな」
ブレラはその言葉には眉を僅かに顰めさせて返した。
「その考えは」
「あら、そうなの」
「どうしてもな」
そうだというのだった。
「好きになれない」
「別に貴方に気に入ってもらう為にしているのじゃないから」
「だからいいのか」
「そうよ。それじゃあね」
「あの娘は御前に捨てられたら」
「その時は終わりよ」
男の言葉は素っ気無い。
「それでね。終わりよ」
「それでもいいのだな」
「何度も言うけれどね」
前置きする言葉はこれだっ
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ