第三十三話 メモリー=オブ=グローバル
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うのである。
「本当にな。凄い奴だよ」
「私は別に」
「この後でコンサートもあるんだろう?」
「ええ」
「間に合わせるからな」
こうランカに言うのである。
「楽しみにしてろよ」
「うん、有り難う」
「バルキリーも思ったより故障が少ないしな」
「そうなの」
「ああ、充分飛べる」
こう言うのであった。
「充分な」
「そう、よかった」
「じゃあまずはバルキリーに乗って」
「帰るのね」
「帰らないとはじまらないだろ」
だからだというのだ。
「そうだろ?それは」
「そうね、確かに」
「だから戻るぞ」
また微笑んだ声を出すアルトだった。
「それじゃあな」
「ええ、じゃあ」
こんな話をしてからだ。バルキリーに戻る。しかしここでだ。
服を着たアルトにだ。ランカが赤い顔で言ってきた。
「あの」
「あの?」
「ちょっと」
こう言ってきたのである。
「いいかしら」
「どうしたんだ?」
「すぐに戻るから」
俯いた顔での言葉だった。
「だからね」
「おい、離れたらまずいぞ」
アルトはここでは鈍感だった。
「そんなことをしたら」
「違うわよ」
しかしここでだった。ランカは言うのだった。
「それは、その」
「その?」
「トイレなの」
顔を真っ赤にしての言葉だった。
「それでなの」
「そ、そうか」
「すぐに戻るから」
ランカはまた言った。
「それじゃあ」
「ああ」
こうしてだった。ランカは茂みに向かった。ジャングルの中には緑の蜥蜴や二本足の二足動物もいる。しかしその他は至って平穏だった。
だがその平穏はだ。突如として崩されてしまった。
「!?ランカ!」
ランカの悲鳴を聞いてだ。銃を手にそちらに向かう。しかしそこに彼女はいなかった。
「まさか・・・・・・」
目の前にあるそのマクロスを見てだ。アルトは何かを直感していた。
その頃シェリルはだ。カーテンの中で着替えていた。その彼女に背を向けたままだ。ミシェルが彼女に対して言うのであった。
「どうしてもか?」
「ええ、風邪はなおったから」
シェリルは着替えながら答える。
「行くわ」
「そう、行くのか」
「絶対にね。ただ」
「今度は何だ?」
「悪いわね、残ってもらって」
今度はミシェルへの言葉だった。
「自分もアルトは探したかったんでしょ?」
「否定はしないさ。けれどな」
「けれど?」
「命令だからな」
だからだというのだった。
「これもな」
「だからいいの」
「仕方ないな。それでな」
「ええ、それで?」
「今から行ってだ」
ミシェルはそこから話した。
「マネージャーには言ってるのか?このこと」
「言ってると思う?」
「いいや」
言葉だけで首を横
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