第三十二話 ファステスト=デリバリー
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「そうだったのか」
それを聞いてだ。アルトも驚きを隠せなかった。
「それでか」
「ああ、そうだ」
「それで来てもらったんですよ」
また話す二人だった。
「わざわざここまでな」
「危険を顧みずに」
「嘘だろ、おい」
今度のアルトの言葉はこうしたものだった。
「俺とシェリルの為に」
「ああ、だからな」
「邪険にしたらよくないですよ」
「わかった」
それを聞いてであった。アルトも言った。
「ランカ、悪かったな」
「ううん、いいの」
しかしランカは微笑んで首を横に振った。
「それは別に」
「いいのか?」
「いいの。アルト君が無事だったから」
その微笑みのまま話すランカだった。
「私はそれでね」
「そうか、そうなんだな」
「うん。それでね」
ランカはここで話を変えてきた。
「ゼントラーディの人達は静かになったわよね」
「ああ、そうだな」
「それじゃあ今はどうしようかしら」
「ここは戦場だ」
まだプロトデビルンとの戦いは続いていた。かなり有利になっていてもだ。
「だからだ。まずは乗れ」
「バルキリーに?」
「ああ、乗れ」
こうランカに言うのだった。
「いいな、すぐにだ」
「わかったわ。それじゃあ」
「それからまずは避難する、いいな」
「ええ」
ランカを乗せてだった。そのうえで飛び立つ。しかしここでだ。
「御前は」
「んっ、確か」
「必殺美!」
こう言ってアルトに襲い掛かるのだった。
そしてだ。ガビルのその攻撃がだ。アルトのバルキリーを掠めた。
「おい、アルト」
「大丈夫ですか?」
「少しまずいことになった」
アルトは難しい顔でミシェルとルカに返した。
「エンジンをやられた」
「おい、それじゃあ」
「すぐに脱出を」
「いや、不時着する」
そうするというのだった。
「今はだ」
「そうか。ランカちゃんがいるからな」
「それでなんですね」
「ああ、済まない」
こう言ってであった。戦場を離脱するのだった。
そしてだ。ロンド=ベルはだ。
「よし、行くぞ!」
「このままな!」
「後は手前等だけだ!」
そのままプロトデビルンに向かう。そのうえで戦局を一気に決めたのだった。
ゼントラーディの軍勢もだ。彼等に全面協力となっていた。
「歌を聴いたんだ!」
「満足させてもらったしな!」
「それじゃあ思う存分」
「戦わせてもらうぜ!」
それまで反乱を起こしていた兵士達も皆協力していた。オゴタイはそれを見て満足した顔であった。そしてその顔で言うのであった。
「いい流れになったな」
「はい」
ジェベが彼のその言葉に頷く。
「やはり歌の力は偉大です」
「確かに。その通りです」
「あの反乱を起こしていた者達ですらだ
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