第三十一話 ハイスクール=クイーン
[9/13]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
って」
アスカにも言い返す。
「あれじゃないか。スパゲティとかマカロニとかラザニアとか」
「パスタ?」
「パスタにやけに凝ってるじゃないか」
こう言うのである。
「それもかなり」
「ドイツ人だからね」
「パスタはイタリアじゃないの?」
「ドイツ人は本能的にイタリアが好きなのよ」
これがアスカの言い分だった。
「食べ物は美味しいしあの爽やかな気候といい」
「いいんだ」
「そう、いいのよ」
アスカははっきりと言い切る。
「イタリアがね。もう大好きなのよ」
「ええと、イタリア人っていったら」
「誰かいたか?」
「日本人が大半でアメリカ人に中国人?」
ロンド=ベルの人種構成はそうなっている。
「ドイツ人にロシア人いるけれど」
「テュッティさんフィンランド人で」
「ユンが韓国人?」
「ティアンさんはタイ人」
「あれっ、イタリア人は?」
「あっ、いますよ」
名乗ってきたのはニコルだった。
「一応ルーツはそっちです」
「ああ、そうだったね」
タリアも彼の言葉に頷く。
「ニコルのルーツは」
「はい、そうです」
「そして私もだ」
ブンドルも名乗り出てきた。彼も出撃していない。
「私もイタリア人だ」
「それを考えればだ」
「イタリア人というのもな」
カットナルとケルナグールがブンドルの名乗りを聞いてそれぞれ述べる。
「かなり厄介だな」
「全くだ」
「マドモアゼルアスカ」
何故かフランス語でアスカを呼ぶ。
「では私が極上のパスタを用意しておこう」
「いいんですか?」
「私は女性の頼みは断らない」
優雅な笑顔で述べるのだった。
「女性は尊い。そしてその女性の為に尽くす。それこそがだ」
いつもの言葉だった。
「美しい・・・・・・」
「また言うし」
「今学校の中は美しい状況じゃないような」
シェリルの騒動はまだ続いている。
「それでもですか」
「やるんですね」
「あれもまた美しい」
ブンドルは今のシェリルの状況も肯定した。
「そうは思わないか」
「まあ何といいますか」
「それは」
皆ブンドルの今の質問には口を濁す。
「普段ならともかく」
「今は」
「あの美しさがわかるのもまた美なのだ」
まだこう言うブンドルだった。
「それではだ」
「はい、それじゃあ」
「今から」
「パスタを作っておく」
このことは忘れていなかった。
「ではその間にだ」
「はい、戦いを終わらせますんで」
「それじゃあ」
「パスタはトマトとガーリックと茄子」
レイがぽつりと言う。
「それとオリーブオイル」
まだ肉を食べない彼女だった。
何はともあれロンド=ベルは戦いだ。シェリルは暴走し続けていた。
「そこね!」
校舎の一角に影
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ