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スーパーロボット大戦パーフェクト 完結篇
第三十一話 ハイスクール=クイーン
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「あのね、馬鹿にしてるの?」
 シェリルは二人にこう返した。
「あのね、卵なんてね」
「いいからな」
「まずは掴む練習をね」
「私を誰だと思ってるのよ」
 いつもの言葉も出た。
「シェリル=ノームよ。これ位はね」
「うむ、ではやってみてくれ」
 冷静に言ったのはミナだった。彼女も教師である。
「それではな」
「わかったわよ。じゃあ」
 早速だった。握り潰してしまった。
「牛丼に使えたな」
「そうよね」
 凱と命がそれを見て言う。
「折角の卵だがな」
「残念だけれど」
「何よこれ」
 シェリルはその割れた卵とその中身を見て顔を顰めさせていた。
「何で潰れたのよ」
「パイロットスーツは力加減が大変なんですよ」
 ルカがここで説明する。
「だからなんです」
「そうだったの」
「まあ卵で汚れるのは何とかなりますけれど」
「それはいいんだ」
「諦めてますから」
 こう斗牙にも答える。
「既に」
「そうなんだ。だから」
「仕方ないです」
 完全に諦めているルカだった。
「もうそれは」
「それじゃあ後で手入れを」
「します。絶対に」
「けれど今は」
「諦めてます」
「諦める必要はないわよ」
 そのシェリルの言葉である。
「とにかくよ。こうして」
「あっ、また」
「潰れた」
 今度は先を押しただけである。それでもだった。
「何かオムレツ食べたくなったけれど」
「こうなったらねえ」
「どうしようもないし」
「いっそのことゆで卵なんてどうだ?」
「ああ、それいいな」
 ディアッカの言葉にエイジが応える。
「じゃあそうするか」
「ああ、それでどうだよ」
「馬鹿にしないでよ」
 しかしその言葉はシェリルをさらにムキにさせるだけだった。
「そんなことを言ってもよ」
「じゃあどうするんだよ」
「まだやるのかよ」
「そうよ、できるまでやるのよ」
 完全にムキになった顔だった。
「それじゃあね。このままできるまでね」
 こうして卵を潰し周りまで卵まみれにしていくのだった。そうしてやっと何とか握れるようになったところで止めてだ。卵を落とす為にシャワー浴びていた。
「それにしてもシェリルさんって」
「物凄く本気でしたね」
「当たり前よ」
 こうランカとナナセにも答えるのだった。
「それもね」
「当たり前なんですか?」
「さっきのも」
「そうよ。何でも真剣にやって身に着ける」
 シャワーを浴びながらの言葉である。
「それが私なのよ」
「そうなんですか」
「それで」
「そうよ、そうしないと何でもできないのよ」
 こうも言うのであった。
「それこそね。それは」
「それは?」
「貴女も同じでしょう?」
 ランカへの言葉だった。
「そうよね」

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