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問題児たちが異世界から来るそうですよ? 召喚士の軌跡
第四話 ギフトゲームですよ?
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れて魅力的に感じるとでも思ったのかしら。だとしたら自身の身の丈を知った上で出直してほしいものね、このエセ紳士」

「うわ、言い切った……」

 ぴしゃりと言い切る飛鳥にガルドは怒りで体を震わせていた。

 だが、自称紳士として飛鳥の物言いにどう返すか言葉を慎重に選ぶだけの理性はあるようだ。

「お、お言葉ですがレデ──」

黙りなさい(・・・・・)

 飛鳥が言葉を発した瞬間、ガルドは不自然な形でガチンと勢いよく口を閉じて黙り込んだ。

 本人は何が起きたかと混乱したように口を開閉させようともがくが、全く声が出てこない。

「……!? …………!?」

「へえ、それがお前のギフトか」

 その様子を見て修也は飛鳥の力に感心する。

「私の話はまだ終わってないわ。あなたからはまだまだ聞き出さなければいけないことがあるのだもの。あなたはそこに座って私の質問に答え続けなさい(・・・・・・・・・・・・・・・・・・)

 再び飛鳥の言葉に妙な力がこもり、今度は椅子に罅が入るほど勢いよく座り込む。

「お、お客さん! 当店で揉め事は控えてくださ──」

「ちょうどいいわ。猫の店員さんも第三者として聞いていってほしいの。多分、面白いことが聞けるはずよ」

 飛鳥達の様子にただならぬ雰囲気を感じ取ったのか、猫族のウェイトレスが駆けつけてくるが、飛鳥は彼女の言葉を遮ってその場に立たせてガルドに向き直る。

 いきなり言われた猫耳のウェイトレスは耳を傾げる。その様子を流し目で見た飛鳥は構わずガルドへと質問を重ねる。

「あなたはこの地域のコミュニティに両者合意で勝負を挑み、そして勝利したと言ってたわね。だけど、私が聞いたギフトゲームの内容はちょっと異なるの。コミュニティのゲームというのはホストとそれに挑戦する様々なチップを賭けて行うもののはず。……ねえ、ジン君。コミュニティそのものをチップゲームにするのはよくあることなの?」

「や、やむを得ない状況なら稀に。しかし、これはコミュニティの存続を賭けたかなりのレアケースですよ」

「でしょうね。訪れた私達でさえそれぐらいわかるもの」

「まあ、自分の家と財産を全部賭けるようなもんなんだからな。そなのにそんな本当にやむを得ないくらいやばいゲームに同意するなんて早々あるわけ……なるほど」

「で、今修也君も言ったようにそんな危ない状況でしかやりそうにないゲームを何故そう何度もできるのかしら?その、コミュニティ同士の戦いに強制力を持つからこそ『主催者権限』を持つものは魔王として恐れられてるはず。その特権を持たないあなたが何故強制的にコミュニティを賭け合うような大勝負を続けることができたのかしら? その辺、教えてくださる(・・・・・・・)?」

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