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茨の王冠を抱く偽りの王
22.祈りと紫苑
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へと進めて行き、シオンの元にたどり着く。

「.......シオン.......やっと......会えた」

シオンの体は氷のように冷たく生気が感じられない。

「.......シオン」

向こうの方に空へと伸びる光が一筋。

「........集......なのか」

「そう......だよ.......あれは、シュウといのり.......だよ」

「.....シオン!?」

シオンの声がハッキリとする。
俺の目の前から。

「.......シュウは......全ての罪を......自分が受ける.....気だよ」

「あの、バカやろう」

シオンは今にも途絶えそうな声で俺に問う。

「ねぇ.......カイ........シュ....ウ.........を助けたい」

俺はうなずいた。

「カイ.......なら......言う......と思ったよ」

シオンの胸が光り出す。
だが、いつものような光ではなく、微かな光だ。

「それじゃあ、王様........最期に......私を......使って」

かすれた視界にシオンの笑顔が映る。

「.......シオン.......最期なんて......そんなこと.........最期なんていうんじゃねぇよ!!!!!」

右手をシオンの光る胸へと........










A FEW YEARS LATER


あの事件から数年の月日が流れた。
今日は久しぶりにみんなで会う日だ。

「おう、八尋」

「早かったじゃないか」

「仕事急がしいの?」

「まぁな。でも、今日は早めに切り上げてきた。ここ構いませんか」

「どうぞ」

「綾姉、アールグレイで良かった?」

「優しいのね、ツグミ」

「今日だけはね。もう教員の試験近いんだから、帰ったらまた鬼だよ」

「あいつらはまだ」

「来るわよ。すっごく楽しみにしてたんだから」

「あっ!来た!」

「ゴメンね。遅れちゃって......ホラ、シュウも早く」

「そんなに押さないでよ、祭」

遅れて現れる、右腕が偽手の杖をつくシュウと祭が現れる。

「あれ、まだ来てないんだ」

「そうなんだよ、いつも遅れて来る。ホント、マイペースだよなあいつは.....」

「綾姉、何か知らないの?」

「あいつ、昨日は家に帰って来なかったから」

「家に帰ってきてないって......まさか」

「颯太君!!変なこと言わないの!!絶対来るよね」

「うん、彼は遅れてくるのがいつものことだよ」

「みんな.......ハァハァ、お待たせ......」

息を切らせて
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