日常
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、先生に距離を縮め、突きを出す。それを避けられると横から蹴りが飛んでくる、それを伏せてかわすと身体を捻りしたから顔面に蹴り上げる。それは直撃ではなかったものの掠った。
「すごいね、二年前とはぜんぜん違う動き出し。君は努力の結晶のような人間だよ。どれほど自分を磨けば気が済むんだ」
「うーん、俺的には答えが出せるまで。親父の遺言で強くなれって言われたから心体ともに鍛えてんだけど、まだ見つからなくてね」
そう言って再び突撃する。今度は、もう出し惜しみのない力で。今までとは比にならないくらいの速さでかけ、掌底を突き出す。驚く先生はそれに反応出来ず、モロに食らって倒れてしまった。優はやりすぎたと思い素早く駆け寄り起こす。
「すまん、先生。マジでさっきのはやりすぎた」
「げほっ、げほっ!!ああ、今のはやりすぎだ。でも、君の腕が落ちてなくてよかったよ」
そう言って肩をポンと叩かれる。
「まあ、あんたよりも恐ろしい戦闘狂との試合が毎日のように続いたからな」
優は渋い顔をしながら先生に言った。
「それは気の毒だ。それよりも、もう家に帰っていいよ。久しぶりに来てもらって自分の血が騒ぎすぎたせいで遅れたし」
「まあ、気にすんな。俺も久しぶりに先生と試合して楽しかったし」
「ふっ、君ももう私と同じ戦闘狂の仲間入りだな」
「俺はそんなのに仲間入りしたくねえよ。俺はただの戦闘馬鹿なだけだ」
「どっちも変わらないだろう」
「それもそうか」
二人は笑う。先生は自分で立ち上がり自分の教え子達に向かって言った。
「さっき戦ってくれたのが、私の元教え子で二年前の大会の優勝者だ。さっきの彼のように君達も自分の道を精進してくれ」
そう言うと、先生は皆に稽古するように言って、優のところに来た。
「ほんとうにすまなかったね、優君」
「いいよ。じゃあ、帰らせてもらいます」
「ああ、いつでもおいで。君が来るのを楽しみに待ってるよ」
「ああ」
優は道場を後にし、桐ケ谷家に向かった。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
和人の家に着き、家の中に入る。玄関の前ではジャージを着た年下の女の子がいた。
「よう、久しぶり。スグ。元気か?」
挨拶をすると笑顔を咲かせたが直に不機嫌そうな表情になる。
「優君、遅いじゃない!お兄ちゃんが言うには道場で挨拶してから帰ってくるって言ってたけど、こんなに遅れるんだったらメールとか電話の一本ぐらい入れて欲しいかったよ!」
そう言って拗ねたみたいに頬を膨らませてそっぽを向いた。優は直葉に近づいて、頭にポンと手を置き耳元でささやく。
「ゴメンな、スグ。俺のことを一番に心配してく
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