第二十九話 銀河へはじめての笑顔を
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だから」
「ここは何があっても」
「そうだ、動いてはならない」
まさにそうだというのである。
「何があろうともだ。いいな」
「あ、ああ」
「それなら」
アキラとナオトがまず頷いた。
「今はここで」
「動かずに」
「見守りましょう」
ミカもだった。腹を括った。
「何があろうとも」
「そうだね、大丈夫だね」
ナミダも息を飲みながらだ。こう言うのだった。
「タケル兄ちゃんとマーグさんなら」
「ええ、そうね」
ロゼは心から心配する顔だった。それでもだった。
「マーグ様と。タケルさんなら」
「ロゼ」
その彼女にだ。ミカが優しい声をかけてきた。
「この戦いが終わったら」
「えっ!?」
「一番先に行くといいわ」
こう彼女に言うのである。
「最初にね」
「最初に」
「そう、最初にね」
こう言うのである。
「行くといいわ」
「あの、それは」
「おいおい、ここまで来て」
「最後まで言わせないでよね」
「そうそう」
皆戸惑いロゼに微笑んで言う。
「皆わかってるんだから」
「だからね」
「私は」
「嫌って言っても背中押してあげるわよ!」
アスカの言葉だ。
「こっちはマーグさんとタケルさんの話の余韻がまだ残ってるんだからね!」
「愛はこの世で最も尊いものです」
ルリの言葉だ。
「私もそれがよくわかりました」
「だからですか」
「はい、愛はどんな困難も貫くものです」
これがルリがわかったことだった。
「一矢さんもタケルさんも見せてくれました」
「タケル、見ていたな!」
ダイゴウジがタケルに対してここで言う。
「一矢の奴のそれをな!」
「うん、そして」
「御前もだ。御前も俺達に見せてくれた!」
「まさか本当になるとは思わなかったからな」
サブロウタはシニカルな微笑みだったが目は温かかった。
「いや、いいもの見せてもらったよ」
「だからですよ」
「また。見せてもらいたい」
ジュンとナガレも言う。
「いえ、見られますね」
「今からな」
「貫き通せ!」
今叫んだのは一矢だった。
「その想いをだ!」
「は、はい」
ロゼは一矢のその言葉に頷いた。そうしてだった。
「それなら。私も」
「ずっと見てたんだからな」
「ロゼさんの心は」
「だったら」
「あとは成就させるだけです」
ユリカの言葉も温かい。
「ですから。いいですね」
「わかりました」
目が潤んでいた。そのうえでの言葉だった。
「それでは私も」
「何か応援せずにいられない奴っているんだよ」
「見ているとどうしてもね」
「そうせずにはいられない」
リョーコにヒカル、イズミも言うのだった。
「一矢の奴にタケルの奴にな」
「それにロゼさんもですよ」
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