第二十七話 ワールの意地
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第二十七話 ワールの意地
「よいな」
「はい」
「わかっています」
「無論です」
ワールの言葉にだ。カッチ、バレン、グールが応えていた。
「間も無く来ます」
「ロンド=ベルがです」
「ここに」
「決戦だ」
彼は三人に対して言った。
「いいな、決戦だ」
「ギシン星に来る前に」
「ズール様の御手をわずらわせる前に」
「我等の手で」
「既に七個艦隊は再編成してある」
あの七個艦隊もだというのだ。
「彼等と共にだ。ロンド=ベルを撃つ」
「さもなければですね」
グールの顔が曇っていた。
「我々が」
「そうだな」
カッチもだ。曇った顔で言うのだった。
「ズール様はそうした方だ」
「そうだな」
バレンも頷く。
「厳しい方だ。失敗は許されぬ」
「倒さなければ死だ」
ワールがまた三人に告げた。
「我等のだ」
「粛清の対象とならない為にも」
「ここは何があっても」
「絶対に」
「そうだ。それにだ」
ワールはさらに言う。
「意地があるな」
「武人の意地」
「それですね」
「無論です」
三人も伊達に軍を率いているわけではない。だからだった。
「だからこそ今は」
「何があろうとも」
「勝たなければなりませんね」
「その通りだ。勝つ」
ワールの言葉には決意があった。
「いいな、それではだ」
「よし、行こう」
「それではだ」
「今は」
こう話してだった。ワールはまた言った。
「いいか」
「むっ、これは」
「杯ですか」
「そして酒ですか」
「まずはこれで意をあげるぞ」
こう三人に告げた。
「いいな、勝利を我が手に」
「はい、勝利を我が手に」
三人も言うのだった。そうしてだった。
杯の中の酒を飲みそうして意を決するのだった。
ロンド=ベルでは神代が皆に話していた。忍者の服を着てだ。
「つまり。至る場所に潜んでいる可能性はあります」
「そうなのです」
めぐみもだった。彼女も黒装束で皆に話していた。
「忍術はそうした術ですから」
「刺客にもなります」
「そうだよな」
「それはな」
皆でこれで話すのだった。
「これまでのことも考えたら」
「絶対に何か仕掛けて来るだろうし」
「その時は」
「例えばですけれど」
また話すめぐみだった。
「シュバルツ=ブルーダーさんも忍者ですし」
「あの変態ね」
ここでまた強烈な拒否反応を見せるアスカだった。
「あれはまた極端でしょ」
「ですが忍者なり工作員は何処からでも来ます」
「そして潜みます」
神代の背には忍者刀まである。
そしてだ。その手に手裏剣を出してみせた。星に似た形のそれをだ。
「これですが」
「あっ、手裏剣」
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