第二十七話 ワールの意地
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「今更な」
「死ぬっていうんだな」
「そうだ」
笑みはそのままだった。
「それも喜んでだ」
「馬鹿な、その様なことをしても」
「今は何もならねえだろうがよ」
ボルフォッグとゴルディマーグも彼に言う。
「貴方は最早戦ってもです」
「何にもならねえぜ」
「帝国。いやズール様は非常に厳しい方だ」
ワールはまた言った。
「だからこそだ」
「脱出はしないのか」
「しようがしなかろうが今の私に待っているのは死だ」
これを言うのだった。
「それならばだ」
「死を選ぶっていうんだか」
「そうだ、わかったな」
「ああ、わかった」
凱もそれで頷くのだった。
「それじゃあな。あんたの好きにするんだな」
「それではだ。ロンド=ベルの諸君」
微笑んでだった。
「さらばだ」
「ワール、それではだ」
「マーグ殿か」
今二人は互いに話していた。
「無事だとは聞いていた」
「私は今は地球人としてここにいる」
こう彼に告げるのだった。
「それでいいな」
「卿の選んだ道だ。私から言うことはない」
「何も言わないというのか」
「そうだ、それはしない」
炎の中に包まれながらも言うのだった。
「気が済むまで進むがいい」
「そうさせてもらう」
「ではロンド=ベルの諸君」
いよいよであった。
「さらばだ、先に待っている」
こう言って炎の中に消えた。その戦艦も撃沈された。これがバルマー軍七個艦隊の崩壊だった。そしてワール達も死んだのだった。
それが終わってからだ。マーグは一同に話した。
「それでだが」
「はい」
「いよいよですね」
「ギシン星に向かおう」
こう言うのだった。
「それでいいな」
「ええ、そうですね」
「これでギシン星への障害はなくなりましたし」
「それなら」
「先に行こう」
また言うのだった。
「そして決戦だ」
「ワール、見事だったぜ」
今言ったのは洸だった。
「敵であってもな」
「そうだな。しかしな」
「しかし?」
神宮寺の言葉も聞くのだった。
「ミスター、何かあるのかい?」
「いや、ズールのことだ」
完が得る顔で言う神宮寺だった。
「あいつもバルマー星人だったな」
「ああ、そういえば」
「そうよね」
「ギシン家の人だし」
皆も神宮寺の言葉に応えてそれぞれ言う。
「姿形は。それだったら」
「けれど何で宇宙にいたの?」
「異常な巨体だったしな」
「あれって」
「脳だけ移植させた?」
今言ったのはマリだった。
「それじゃないかしら」
「そのケースも考えられますが」
「どうですかね」
麗と猿丸がそのマリに対して言う。
「ただ。普通のマシンではないでしょう」
「それは何となくわかりますが」
「そう
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