第二十一話 守護神の巫女
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憶があるのだ」
二人は怪訝な顔で一同に話す。
「その二人の服も」
「私達の知っているものだった」
「では顔は」
「どうなのでしょうか」
「はい、それもです」
「知っているものだ」
顔についても答えた二人であった。
「まさかとは思いますが」
「十二支族の者達ではないのか」
「十二支族っていうと」
「バルマーの中枢よね」
「それ?」
「そうだ、アマルナ=ティクヴァーとルリア=カイツ」
マーグが出した名前はこの二つだった。
「その二人だ」
「馬鹿な、そんな筈がない」
ヴィレッタはその名前を聞いてすぐに反論した。
「あの二人がこの様な場所にいる筈がない」
「確かにだ」
マーグも彼女に対してこう返した。
「普通に考えるとだ」
「確かにあの服は二人のものだ」
ヴィレッタはまた述べた。
「だが。あの二人が何故フロンティアにいる」
「普通に考えて有り得ることではない」
マーグはまた言った。
「それは何があろうともだ」
「そうだよな、っていうか」
「バルマー十二支族がこんな場所にいるなんて」
「普通はあれだよな。バルマー本星にいる筈だよな」
「ああ、確かにな」
「いる筈がないわ」
一同はこう言って首を傾げさせるばかりだった。
「絶対にな」
「それは」
「私の見間違いか」
マーグはこうも考えた。
「やはり」
「いえ、それは」
ロゼが顔を俯けさせたマーグに対してすぐに言ってきた。
「マーグ様、それはです」
「ロゼ、気遣いは嬉しいが」
「たまたま服がそうであるかも知れません」
こう言うのである。
「それでそう思ったのかも知れません」
「そうなのだろうか」
「私も。あの方々がここにいるとはです」
「思えないか」
「はい、申し訳ありませんが」
それを言うのである。
「あの方々は本星におられる筈です」
「しかし。確かによく似ている」
マーグはあらためて言った。
「そっくりと言ってもいい程にな」
「あまりにもな」
「あっ、そういえばマーグさんもあれですよね」
「十二支族でしたよね」
「ギシン家の」
「そうだ、その当主ということになっている」
このことにも答えた。
「だが。今はだ」
「それも過去のことですか」
「今は私達と共にいますから」
「そうだ。もうギシン家は事実上途絶えている」
こうも答えるマーグだった。
「私はロンド=ベルに加わりマーズもここにいることでだ」
「俺は最初からバルマー帝国の人間だったつもりはない」
タケルはそれは確かに言った。
「けれど兄さんは」
「私も今まで操られていたのだ」
「操られていた、そういえばレビ=トーラーという女に」
「そうだ、その女に操られていた」
こう話すのである。
「長
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