迷
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俺は、半ば強制的に五十層の街<アルゲード>に連れてこられていた。
俺のホームもこの街なのでどうせ来ることにはなったのだが。
最前線の一つ下の層にあるこの街は開通されて間もないとは思えない程にぎわっている。
無数にのびる裏道には、所狭しと並ぶショップの数々。
ここをホームとする攻略組の面々が和やかに生還の杯をかわし、下層からの観光客ががやがやと人だかりを作る。
そんな中を俺と<おせっかい>ナギサは並んで歩く。
「こんなとこに連れてきて、何の用だよ」
「一つ紹介しときたいお店があってね」
ついてきて、と彼女は言い裏道の一つに足を踏み入れる。
ため息をついて、俺も続いた。
アルゲードには裏道が多い。
ちょっとした迷宮並の広さ、複雑さである。
俺も多少値が張るのを我慢し、表通りに家を持つくらいである。
とはいえ、目的地に着くまでに一時間もかかる程ではないと思う。
要するに。
「迷った・・・」
ナギサが俺の方を向いて言った。
「やっと気づいたか」
「うるさい!少し道を間違えたの!」
その少しで二日ここをさまよった奴が君の目の前にいるのだが。
と、地図と格闘するナギサに近づく影が。
「何やってんだよ」
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