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Muv-Luv Alternative~一人のリンクス~
白銀武
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の技術。これで安心出来そうだ」

「へぇ…この映像を見て確信が持てた訳ね。楽しみにしてるわよ?」

 その後会話が続くことなく、俺達は二人して白銀の方に視線を移した。

 俺にとって白銀がこの世界でどれほど強いのか分からない以上、どう判断していいか分からないが、隣の女性を見る以上、白銀の操作性は異常なのだと判断出来る。

 まぁ白銀の技術がどれほどのものか分からないと言っても、その他のことならば判断出来る。白銀の状況判断能力は素晴らしい。あの壁のように迫ってくるBETAの大群の中から一番薄い層を一瞬で見つけ、必要最低限の弾丸を使い突破する。かなり戦いなれている証拠だ。

 そして遂に白銀がHIVEの最終地点、反応炉に到達するが、それを壊せる手段がないと言う事でシミュレーターは終了した。

「…あいつはどうなんだ?」

「個人の実力としては間違いなく世界でトップね。このヴォールクデータを単機で最深部まで行く奴が現れるなんて…嬉しい誤算だわ。まだ白銀の言っている事を信用した訳じゃないけど…十分使えるわ」

 そう語る女性は自分の中から湧き出る喜びを隠せていなかった。

「となると後は俺だけ、か」

「まぁそうなるわね。特にあんたの方は厳しいわよ?あんたは何も情報を持っていないんだから私の信用は無に等しいわ。あんたの持つ技術とやらが使えないものだと判断した場合、直ぐにでも此処を出て行って貰うわよ」

「それで構わない。だが、間違いなく俺が持つ技術はこの世界に大きな影響を与える。あの戦術機とやらは大きく変わるだろうな」

 と、そこで管制室に誰か入ってきた。誰か入ってきたと言っても白銀しかいないのだが。

「此処からは二人で話しておいてくれ。…俺はACを取りにいってくる。案内は白銀にさせればいい」

 二人の返事を聞く前に俺は管制室から出る。

 後ろで何か聞こえるが、今は一人で居たい。心の整理って奴…だな。

 まだ混乱している状況だが、それでも覚悟は出来た。この世界で生き抜く覚悟だ。まだこの先、どうなるか分からないが、約束がある以上、泥を啜ってでも生き延びてやるさ。この地獄のような世界で。

 
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