第一部
その名は
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つづけている阿修羅の心の狭さの方がもっとよくない』という理由で悪神に落とされ、踏んだり蹴ったりの阿修羅。
一方、善悪二元論しかないゾロアスター教では、インドラを魔王とし、阿修羅を、正法を守る護法の神として名誉挽回。ゾロアスター教の最高神、アフラ・マズダと同一であるとさえ言われている。そして、アフラ・マズダが阿弥陀如来と同じであるとする考えもあるので、阿修羅は阿弥陀如来とすら同じと考えられるのだ。
このように、様々な物語で戦い続け、競い合ってきた神々なのである。
・・・という事を、短く鈴蘭に説明したアリス。鈴蘭は、短時間で一気に詰め込まれた知識に、少しクラクラしている。元々、勉強はそこまで得意ではないのだ。基本的にはカンピオーネは魔術を打ち消してしまうため、魔術で教えることも出来ない(経口摂取なら魔術もかかるが、二人ともソッチの趣味はないためする気がない)。
「ええと・・・つまり、どういうこと?」
「私は、インドラと阿修羅の間には、何か特別な繋がりがあるんだと思います。だから、沙穂さんは誰よりも早く阿修羅の接近を感知出来た。・・・というより、多分沙穂さんに惹かれて阿修羅がやって来たんだと思います。」
その言葉に、アチャ〜と呟く鈴蘭。
「成程。それなら隔離世でも速攻で見つかる訳だ・・・。仕方がない!」
彼女は、突然拡声器を権能で作り出し、上空の阿修羅に向けて叫んだ。
「ちょっといい〜!?」
『・・・なんだ?神殺しよ。』
流石に神殺しは無視出来ないらしい。実際、先程から何度か沙穂に攻撃しようとしていたのだが、何時の間にかやってきた翔希や睡蓮からの圧力によって、未然に防がれていた。何故か三柱いるとはいえ、四人の神殺しを同時に相手するのは危険だと判断したのだろう。
「今ここで戦うのは止めてくれないかな〜?もう直ぐ無人島に上陸するから、そこでやろうよ〜!」
『下らん。何故そんな提案を受けなければならない?』
嘲笑された。しかし、こめかみに血管を浮かせながらも耐える鈴蘭。
「そうしてくれたら、私たちは手を出さないよ〜?幾らなんでも、全員を一度に相手するのは厳しいでしょ〜?宿敵とは、真剣勝負したいよね〜?」
『・・・・・・むぅ。』
(ヨッシャ!手応えあり!)
この提案が通ると、沙穂が三対一になってしまうのだが、鈴蘭は気にしていなかった。・・・というより、戦闘モードに入った沙穂の放つ殺気は、例え味方だろうと、邪魔をすれば斬られるような気がして近づきたくないのだ。
味方に攻撃するはずがないのは分かっているつもりだが、カンピオーネとなった後の沙穂は、戦闘になると容赦が無くなる。カンピオーネの特徴と、元々の彼女の特徴が、嫌な感じで混ざり合った結果である
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