四十六 風吹けど
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める。
(違う。あの眼じゃない…)
当然の如く子どもの姿で、人間の身体で、人の眼をしている我愛羅。だがサスケの胸中は全く以って穏やかではなかった。
あの時垣間見た瞳への恐怖心が、足の爪先から頭の天辺に掛けて駆け廻っている。震えはまだ治まらない。
互いに疲労しているサスケと我愛羅。試合を観戦していた風影は想像以上の試合に、にんまりと笑った。
たった一か月であれほどの成長を見せた、うちはサスケ。自らが欲してやまぬ眼を宿す、最後の希望。里を引き換えにしても構わないと感じさせる貴重な存在。
あれこそ己の器に相応しい。
歓喜に打ち震えているらしい主人の様子を見て取って、『音』の忍び達は悟った。直に風が吹く。
『木ノ葉崩し』という名の風が。
一方『根』の忍び達もまた、自らの任務を行う時宜を得ていた。頃合いを見計らう。
うちはサスケの暗殺を。
数多の視線がサスケ一人に集中する。
皮肉な事に彼は敵である『音』から生存を、味方である『根』からは死を望まれていた。
機は熟した。
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