第九話 受け継ぎし遺産
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のミスティにも答えるのだった。
「支配するならともかくね」
「またか」
洸はそれを聞いて不機嫌さを見せてきた。
「御前達はそうやって」
「最近分が悪いけれどね。裏切り者もいるし」
「それは私のことか?」
「そうさ」
ロゼに対する返答だった。
「あんたもそうだしね」
「手前のその態度」
それを見て起こったのは一平だった。
「あのハザルとかいう奴と同じだな」
「そうね、確かに」
「これがバルマーだっていうのね」
「やっぱり」
「ハザル!?」
しかしだった。レツィーラはここで一旦忘れた様な顔をしてきた。そのうえで思い出した様な顔になってそのうえで言ってきたのである。
「ああ、あのお坊ちゃんかい」
「お坊ちゃん!?」
「あいつが」
「シヴァーのね」
また一同の知らない名前であった。
「あれも父親同様に救いようのない奴だね」
「あいつが救いようのない」
「しかも父親!?」
「また何が」
「ハザル=ゴッツォは宰相シヴァー=ゴッツォの唯一人の子供です」
ここでロゼが話す。
「ですから」
「そうか、それで今」
「父親を」
「鍵さえ手に入ればいいと思ってるなんてね」
「鍵!?何なんだそれは」
「一体」
ロンド=ベルにとって謎がまた出て来た。
「鍵というと」
「それは」
「無限力の発動が近いのに詰まらないプライドにしがみついてね」
レツィーラはまた言った。
「所詮小者なのさ」
「おかしなことを言うものだな」
マーグがその彼女に言ってきた。
「レツィーラ=トーラー、御前の言葉とは思えぬ」
「へえ、何か知ってるのかい?」
「少なくともだ」
マーグはレツィーラを見据えて言ってきていた。
「以前の御前の口調とは全く違っている」
「えっ、そうなのか!?」
「昔は違ったの」
「今みたいなのじゃなくて」
「そうだった」
言葉は既に過去形であった。
「どういうことなんですか!?」
「違うって」
「以前のこの女は徳の高い祭司長だった」
「へっ!?」
それを聞いて驚きの声をあげたのはジュドーだった。
「この如何にも洗脳とか謀略とかしそうなおばさんがかよ」
「おばさんは余計だね」
レツィーラは今の言葉にはすぐに反応した。
「私はまだ二十代なんだよ」
「いや、外見はそうでも」
「中身はって結構あるし」
「そうよね」
「れっきとした二十代さ。しかしマーグ」
「何だ?」
「あんたはまだ知らないのさ」
こうマーグに言うのであった。
「まだね」
「私が何を知らないというのだ?」
「何もかもがだよ」
知らないというのである。
「知らないね、本当にね」
「少なくとも御前が変わったのは知っている」
これがマーグの返答だった。
「それはだ」
「言うようにはなったね」
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