第5巻
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のだろう、四人中三人がクロヴィスの方向に目を向ける。白髪の少年はクロヴィスに視線を向けることなくタレが気に入ったのか「このタレはうまいのぉ」と呟きながら黙々と一人だけ鍋に集中し肉を食べていた。
だが、その瞬間。四人が囲っていた鍋目掛けて大剣が飛来。飛来した衝撃で鍋は食材を散らかせながら舞い眼鏡の男の頭に。
案の定、眼鏡の男は汁ごと鍋を頭に被る。
出汁も滴るいい男の完成。
他の三人は舞った食材を各自、持っていた小皿に箸で器用に余裕で納めていく。食い意地をはるのもいいが、途中で鍋を蹴るでもして助けてやればいいのに。仲間なんだから、一応。
鍋を頭に被った眼鏡の男は硬直しているが仲間より食事を優先した三人は大剣が飛来してきた方向に顔を向ける。クロヴィスは自分の食事が台無しになったことにショックで硬直し、その場に顔から倒れこんだ。
小皿に確保したすき焼きの具を食べながら三人が振り向いた先には
「お食事中失礼するぜ! 紅き翼の諸君!!」
大剣を投げた者なんだろう、金髪ロン毛で褐色の筋肉マッチョが左手で投擲した大剣に酷似した大剣を方に担ぎ、そこにいた。
「なんじゃバカそうなあの筋肉は?」
そう爺喋りで言葉をこぼしたのは白髪の少年。
少年が称したバカそうな筋肉。彼の名はジャック・ラカン。帝国の生ける伝説の元拳闘士にして傭兵業を営む最強の男。アスカが最も警戒するチートを拗らせた非常識を詰め合わせたようなバグ人間。いや、バグ亜人。
帝国側から傭兵として依頼を受けた彼は、依頼の帝国軍を苦しめこの先不安要素となりかねない『紅き翼の討伐』を果たすため、この場に現れた。
つまりはそういうこと。すき焼きの鍋を囲って食事をしていた四人が紅き翼の面々だ、未来の英雄なのに若干一名ほど間抜けな状態になっているが。
赤毛鳥頭の少年が原作主人公の父親であり息子を差し置いて主人公でもないのに、主人公補正を持つ生まれながらのバグ人間なナギ・スプリングフィールド。
胡散臭い笑みを浮かべながら肉を口に運ぶローブ姿のイケメンは古本もといアルビレオ・イマ。古本と称されるとおり本体は魔導書。
古本の隣でラカンに視線を向けつつも肉を食べるのを止めない丸ホッペの白髪の少年フィリウス・ゼクト。実は、こんなナリして数百歳の爺でナギの師匠である。
そして最後、鍋を頭に被って硬直している間抜けな彼が紅き翼一の剣士である青山詠春。こう見えても剣の達人で自身が修める神鳴流の宗家出の天才剣士。
そこからバトルが開始。先ずは食事を駄目にされ鍋を被せられた出汁に濡れた詠春が怒りで特攻するも、ラカンが紅き翼を調べ予め用意していた女性の姿をした裸の人工精霊による色仕掛けにより呆
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