第5巻
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げ出した男だ。
ほとぼりが冷めるまで隠れていようとしていた彼が何故か今回の奪還戦に参加し、これまた何故か紅き翼に加入していた。
何故、この男がリアルに生きるバグ集団である紅き翼に加入し共に戦っているのか……
◆
敵前逃亡をし仮宿のメセンブリーナ連合軍と所属するキリスト教から処罰される前に逃げ出したクロヴィス。
幼少の頃にイタズラをするためだけに必死に習得した変身魔法で姿を変えて逃げたものの、彼は旧世界出身で魔法世界に来たのは今回が初。やはり慣れない見知らぬ土地。
土地勘が働かない彼は迷いに迷い、食事と寝床は基地のを使用していたため、元々少なかったというのに早々と路銀を使い果たしてしまった。
けっこう早い段階で路頭に迷うなど本当に計画性がない。
『ご利用は計画的に』って言葉を知らないんだろうか。
実家がそれなりに金持ちだったので金に不自由なく暮らしてきたので手持ちの金が無くなる経験が無い。っていうか15歳ぐらいから口説いた女に貢がせていた。何でこんな男がイケメンとして生まれてきてしまったんだろう。
こんな最低野郎の毒牙にかかってきた女性たちが可哀想だ。
そして果実かなにか何でもいいからてに入るだろうと考えて踏み入れた食料を手にすることはできたが森で結局迷う。
やっとの思いで抜け出すも自慢の金髪はボッサボサで服はボロボロ。
下級の竜種に魔獣のせいでろくに眠れず疲労は体力、精神共に限界。果物などの果実も既に食べ尽くしている。
このままマジで死ぬんじゃないかと本気で思い始めた時、彼の鼻に香しい旨そうな香りを匂わせせ、空っぽの胃袋に急激な刺激が襲う。刺激された分、腹も鳴り響く。自分の腹の音を聴くなんて、もしかしたら初めてかもしれない。即座に匂いを辿り元の所までイケメンが台無しになるぐらい野性味溢れた凄い形相で走り出す。涎も下品にダラダラだ。
つーか、さっきまでの衰弱っぷりはなんだったんだろうか、と言いたいよ。元気じゃんかよ。
匂いの元はわりと近くにあり走り出して直ぐに見つけ出した。
黒それは鍋だろうか、赤みかかった茶髪の少年に、黒いタートルネックを着た細身の眼鏡をした男と白いローブを着たこれまた細身で胡散臭そうな笑みを浮かべるイケメンの男性、そして白髪が特徴的な少年。計四名がクロヴィスが嗅ぎ付けた匂いの元である黒い鍋を囲って食事を取っていた。
どうやら鍋は日本食のすき焼きのようだ。
とは言っても空腹のピークを越えていたクロヴィスには四人が見えていない、見えているのは美味しそうな匂いを漂わせる鍋のみ。旨い物がオレを待っている。
此方に向かって走ってくるクロヴィスに気がついた
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