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真剣に私に恋しなさい! 〜 転生者は天下無双な血統種 〜
第六話 椎名京ですか。(改)
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と……」

俺はその老人の姿に感心する。先ほどの「融資している学校」と言う言葉にその身に纏う達人の雰囲気から、この人はこの川神市で比較的高い社会的地位にいる人間だろうということがわかる。

そんな人間が自分が悪いとはいえ素直に自分の非を認めて子供相手に頭を下げるなど、よほど器の広い人物にしかできないことを前世での経験から知っていたからだ。

「俺なら構いませんよ。悪意があってなさったようではないようですし、あの状況じゃあ疑われても仕方ないですし」

普通の人間なら、俺と京をあいつらが逃げ出してきた場所で見つけても疑わずに事情を聞くだけだろうが、この老人は俺がそれなりの武術の鍛錬を積んでいることを見抜けたから、逆にまず俺があいつらに何かしたのだと疑ってかかってしまったのだろう。

そう考えると今回のこの老人の早とちりはやってもしょうがない面もあると思う。

「そう言ってもらえると助かるわい……」

俺の言葉に老人は未だに申し訳なさそうしながらも、どこかホッとしたようにその顔を上げた。

とそこで俺は一つ大事なことに気づく。

「そう言えばお爺さんはいったいどなたですか?失礼ながらただの教師にしてはいささかお年をとりすぎなような気がするのですが?」

教師の定年がどのくらいかは知らないが、この老人は少なくとも七十代以上には見える。いくらなんでも普通の教師でそんな年齢の人間はいやしないだろう。

ひょっとして部活の外部の先生とかかな?と頭の中でいろいろ勝手に推理している俺をよそに、老人はしばし呆けたような表情を浮かべていたが、やがて「おー、そういえば言ってなかったの」とひとこと言うと、悪戯坊主のような笑みを浮かべながらとんでもない事実を口にした。





「ワシの名前は『川神鉄心(かわかみてっしん)』。この学園の理事の一人で、……まあ、たまに『武神』なんて呼ばれもするただの爺じゃよ」







………え?

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