アインクラッド編
語らう2人
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ータテスター抜きでの攻略を望むためだった。
それが全てではなく、他のプレイヤーのために戦っているという部分も含まれてはいるが、いくら取り繕うと利己的な考えが全員にある。
それが当然で、必要不可欠な要素。
自分の中で明確な目標も覚悟も無い者は攻略組としてやっていけない。
死のリスクを背負ってまで戦えない。
「サチ、君はどうしたいんだ?」
「えっ・・・?」
「ひどい言い方だと思うけど、俺はサチ個人に目標が無いのなら攻略組への参加はしないほうが良いと思ってる」
「・・・・・・」
「ボス戦は厳しい。情報誌で取り上げられたから知っていると思うけど、第25層ボス戦じゃあ、10名以上の死者が出た。あの戦いでは俺もキリトもレッドゾーン近くまでHPバーが落ちた。別に俺とキリトのどちらか1人・・・・いや2人とも死んでたとしてもおかしくはなかった。サチが凄いと思っている俺とキリトでも死ぬ可能性はゼロじゃない」
サチには辛い話だと思うが無言で聞いていてくれているのでアスカは更に続ける。
「それに他の選択肢だって存在する。今までのレベリングでかなりのコルを稼いできただろ?」
サチは肯定の意を示すために頷く。
「じゃあ、元手でかなりの出費があるけど、サチの〈料理スキル〉の熟練度ならお店を構えても問題ないはずだ。お店で稼いだコルでケイタ達の攻略を支えるってのも良いんじゃないか?」
「それは・・・・・・」
困惑した様子のサチ。
いっぺんに色々と言い過ぎたかと思うが、別にアスカは善意だけで言っているのではない。
攻略組のレイドパーティーを支える指揮官として戦うアスカにとって、覚悟のないプレイヤーがボス戦に参加するのは迷惑なのだ。
本心としてはサチの事を心配しているが、自分のことで手一杯のアスカに他人のことまで気に掛けている余裕はない。
この会話とて、明日のボス戦で支障がでる可能性があるから、しているだけだ。
「参考として、考えていてくれたらいいよ」
「・・・・・・うん」
サチからの頼りない返事を聞きながらアスカは安全地帯へと歩を進めた。
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