第五章 『魔への誘い』
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た時、ネギは思わず素っ頓狂な声をあげていた。話し掛けられた方を見ると、桜咲刹那や近衛木乃香、宮崎のどか達の教え子の面々がネギを心配そうな面持ちで眺めていた。
「あ、だ、大丈夫です! 皆さんご心配おかけしました!」
ネギは心配をかけまいと、すぐに笑顔を作って取り繕う。仲間を頼ると決めたものの、やはり心配はかけたくなかった。
「ホンマ大丈夫かいなー? ほらよ」
そう言ってネギへ手を差し伸べたのは、犬上小太郎だった。小太郎も木乃香に治療して貰ったようで、腹部の大怪我はほとんど治っていた。
「ありがとう、コタロー君」
ネギは小太郎の手を握ると立ち上がった。
「当たり前だ。そうやすやすと音を上げるようには鍛えてないからな」
そこへ、氷の上で胡座をかいてるえエヴァンジェリンから言葉が飛んできた。
「師匠(マスター)! それに学園長先生にタカミチもどうしてここへ!?」
造物主によって気絶させられていたために、エヴァンジェリン達が魔法世界へ来ていたことを知らないネギは驚いた。特に学園に縛られているエヴァンジェリンがこちらへ来ることなど予想外だったからだ。
「まぁあれだ、私の自堕落生活の危機だったからな。それに不甲斐ない弟子の姿でも見といてやろうとだな――」
「つまり愛弟子であるネギ君の危機にいても立ってもいられなくなって年甲斐もなくこうしてやって来た、という事です」
エヴァンジェリンの言葉に割り込んだアルが、いつもよりもさらに胡散臭い笑みを浮かべてネギへ説明した。エヴァンジェリンは青筋を立ててアルへ掴みかかる。
「なんでそうなるんだボケナスビ! 私がそんなことをいつ言った!」
「フフ。ですから最強種ともあろう御方がはしたないですよ? キティ」
そう言ったアルは、エヴァンジェリンの襟元を持ち上げて引き離した。その光景は、まさに仔猫(キティ)を相手にしているようであった。
「それにネギ君の目が覚めたのですから、彼へ今の状況を説明するべきかと思いますが」
アルの言葉にエヴァンジェリンは押し黙る。エヴァンジェリンとしては少々どころかとてつもなく腹立たしいのだが、アルの言う通り今は気を失っていたネギが正確に現状を把握できるようにすべきである。それはエヴァンジェリンも重々承知している。だが弄られて猫のような扱いを受け、その上呼ばれたくない呼び方で呼ばれたとなれば、文句の数が足りないようだ。
「ぐぅっ……あとで覚えていろよ、アルビレオ・イマ! おいぼーや、貴様が眠っている間にも状況が変わった。少々厄介なことになったぞ」
恨み言を吐いた後に、エヴァンジェリンはネギへ言葉をかけた。ネギも状況が悪化したことは悟っていたらしく、焦る様子もなくエヴァンジェリンへ言葉を
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