第三十八話
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「……生きるッ!」
《還魂の聖晶石》ッ――!
「what……!?」
「でぇぇぇぇいッ!」
《還魂の聖晶石》の効果によって、ポリゴン片となって崩壊していた俺の身体が続々と再構成されていき、リズと一緒に作った愛刀である日本刀《銀ノ月》の感覚が腕と共に戻った瞬間、人が生き返るという、このデスゲームには有り得ないことが目の前で起きたために、狼狽したPoHに向けて渾身の一撃を繰り出した。
しかし、未だにポリゴン片となっていた足が再生しきれておらず、踏み込みが足りなかったためにPoHのHPを削りきるには至らなかった。
その間にHPゲージが右端まで回復しきり、足もポリゴン片ではなく自身が長年付き合ってきた足と相違なく回復していた。
「……はぁ、はぁ、はぁ……俺は、生きているッ!」
死の淵から蘇ってPoHに会心の反撃を喰らわせたシーンなのだから、もう少しカッコ良く言っても良いだろうに、と息を整えながら自嘲する。
でも、カッコ悪くとも生きている……これ以上ないって程生きている。
「このmonsterが……! 生き返ったんなら、もう一回KILLしてやるぜ……!」
「違うね。俺はただの弱い人間で……死ぬのは、お前の方だ」
お互いにもっとも頼りにしている愛刀を構え直し、俺が生き返って戦いが再開したのだと実感する。
結局俺は弱いままであり、『恐怖』を乗り越える『強さ』なんて持ち合わせていないのだと解った……だけど、弱いなら弱いなりに、『恐怖』に立ち向かうことぐらいは出来るはずだ。
『恐怖』に負けないように、いつかは克服出来るように――そんな願いを込めて、俺は自身をもっとも鼓舞する言葉を言っていたのだろう。
「ナイスな展開じゃないか……!」
俺の『恐怖』に打ち勝つための言葉で、俺とPoHとの殺し合いは再開された。
まずはPoHの首元狙いの斬撃を、見えた俺が避けるところから始ま――って、あれ? 確かにあの斬撃は首元狙いのように見えるが……足元を狙っているようにも見える。
「……なんだ?」
この奇妙な感覚に戸惑いながらも、俺はPoHの斬撃が来るのであろうと予測するポジションに足刀《半月》を叩き込む。
すると、PoHの斬撃は首元狙いから俺の足元狙いへと、太刀筋が急激に変化する……惚れ惚れするほど見事なフェイントだったが、友切包丁は先出ししていた俺の足刀《半月》に阻まれるだけに至った。
「「……ッ!?」」
PoHは自らのフェイントを完全に読まれたことからの動揺から、俺は奇妙な感覚がPoHのフェイント付きの攻撃を見破ったことからの違和感から、俺とPoHから同時に探るような息が漏れた……そして、その動揺からいち早く復帰したのはPoHの
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