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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
SAO
〜絶望と悲哀の小夜曲〜
六王の対応
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さ」

その声に全員がうんうんと頷く。

「しかし…………」

「閣下、頭をお上げ下さい」

シゲさんが言う。いつもは柔和そうな糸目がいっそうのこと細められている。

「この場にいる全員、閣下を責める者など居りませぬ。それより、今は差し迫った問題に対応するのがよろしいかと………」

「…………判った」

素直に席に着いたヴォルティスの代わりに、今度はシゲさんが立ち上がった。

「さて……皆様もご存知の通り、先日レン君がPoHと対峙しました。その時、PoHはレン君に低層の階層名を告げ、日時はそっちで決めろ、と言い残し、転移結晶で消え去りました。…………それに間違いはないね?レン君」

シゲさんはテーブルに頬杖を着いているレンに話を振る。だが、帰ってきたのは、心ここにあらずといった風な生返事だった。

だが、歴戦の老人はそれに構わず話を続ける。

「これにより、ユウキ君含む【スリーピングナイツ】にその低層フロアの調査を依頼しました。ユウキ君、調査結果は?」

「あっ、は、はい!」

ユウキは、授業中に急に先生に呼ばれた生徒のように跳ね起きる。

「えーと………あっ…と、これか」

そんなことを言いながら、取り出した用紙をがさがさ弄っている。

「確かに、指定された低層フロアにはラフコフのアジトがあったよ」

「ホントにあったのか!?」

挟んでくるテオドラに頷き、ユウキは続ける。

「そのアジトは洞窟にあって、巧妙に隠されてた」

「洞窟?アジトは圏外にあったのか?」

ヒースクリフが穏やかなテノールでユウキに問う。

「うん。だけどMobが現れない絶妙な位置みたいだったよ」

なるほどとばかりに、テオドラが頷く。

「だったら討伐戦の時に湧いてくるMobの心配はしなくていいって事だな」

「そーいうことになるね」

ふむ、と会議室にひとときの沈黙が降りる。

ヴォルティスがその沈黙を破る。

「よし………ならば早速部隊編成を――」

言いかけたその声は、穏やかなテノールに遮られた。

「待ってくれないか、ヴォルティス卿」

ヒースクリフだった。

相変わらず、何の感情も読み取れない眼を光らせながら

「今回の討伐作戦、悪いが私は降ろさせてくれないかな?」

言った。
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