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IS クロス Zero 〜赤き英雄の英雄伝〜
Mission 4  小さい仲間の記憶
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Side --- <ゼロ>

1年1組は全員グラウンドに五列体形で並んでいた。
一人だけ、男のゼロはその中で異質感を放っていた。

「今回の授業はISの基本操縦だ。その中でも最も基礎の基礎である、飛行操縦を実戦してもらう」

チフユは俺たちを見渡すと俺とオルコットに目を付ける。

「では、アンリエットとオルコット、専用機持ちとして実演して見せろ」

「了解した」
「分かりましたわ」

二人で隊列の前へ出てISを展開させる。
オルコットは耳の青いイヤーカフスが、俺は右手の赤い腕輪が光る。
辺りが一瞬光に包まれ、光が収まる頃には俺もオルコットもISを装備し終えていた。

「よし。始めろ!!」

チフユが声を張り上げる。
四機のスラスターを一気に稼働する。
オルコットとの戦闘時には『スピード酔い』も考慮して二機しか稼働しなかったが、あの後分かったことでこの状態の俺はレプリロイドだったころの俺と遜色ないようだ。なら酔いなど心配もいらないという事だ。

「行くぞ」
「わたくしも行きますわ!」

二人同時に地を蹴り、空へ舞い上がる。
青く尾を引きながらどんどん上昇し、目標高度に達すると旋回を始めるがやはり遠距離型と近接型の違いだろう、俺の方がオルコットよりも先んじている。
だがそれは直線的な運動時まで、旋回の形が整ってくるとやはりISでの経験の差だろう、オルコットに抜かれた。

≪どうしたアンリエット?出力はお前の方が上のはずだろう?実戦で見せたような操縦技術を見せてみろ≫

チフユからの通信が入る。
これに関してばかりはいくら操縦経験が浅いとはいえこのISのスペックを完全に引き出せていない俺の責任だ。

「すまない。言い訳をするつもりはない」

「戦闘の方はあれだけ達者でも操縦は慣れていませんのね。その、よろしければ教えて差し上げますわよ?二人きりで……」

最後の方はおぼろげにしか聞こえなかった。
何か重要な事ならばもっと大きな声で言ってくるはずだからさして重要ではないのだろう。

「?なら、よろしく頼むオルコット」

「いやですわ、セシリアと呼んでくださいな」

「すまない。よろしく頼むセシリア」

「了解ですわ」

≪アンリエット、オルコット、急降下と完全停止をしてみろ≫

チフユからの通信が入る。
オルコ…じゃなかったセシリアは表情を引き締めスピードを上げ、運動方向を下方に向ける。

「では、お先に」

さすが綺麗に着地するな。
俺もあれくらいうまくなれるんだろうか。
考えながらセシリアにならい、着地を行った。少々地面が削れたがチフユは及第点をくれた。
ホーキとホンネは褒めてくれるだろうか?


---時間経過  放課後---


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