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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
世界集結
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んなことをしてる時点で既にスポーツではなく兵器として使っているってことなんですけど……
 着艦してきたのは『デザート・ウルフ』。両肩と背中にドーム状のレーダー装置を装備した強行偵察用パッケージ『レイヴン』を身に着けています。強行偵察用の名に恥じぬ膨大な情報処理を行うために顔をフルフェイスに近いバイザーで覆っているため顔が見えないので誰が着艦したかは分かりません。

「ええいくっそ! なんで私がこんなもんを!」

 ってこの声……
 ISのパイロットが荒々しくバイザーを顔からどけると、予想通りクロエでした。
 クロエ、偵察とか哨戒とか言う細かい任務苦手ですもんね。一年前とかは基本的に近海に出没する海賊の迎撃とか追撃とか多かった気がします。

「換装早くしてくれ! 動きにくくてしょうがない!」

 やっぱり……クロエの得意とするのは近距離の高速戦闘ですからね。
 クロエの周りには既に次のパッケージが用意されていて作業の人たちが急いでケーブルを接続しています。
 んー? あれも見たこと無いパッケージ? 最近多いなあ。『レイヴン』も今日初めてみたんですよね。
 福音事件以来秘密裏に作っていたパッケージを全部公開するようで、クロエはそれに付き合わされている状態です。今までの飛行も他の国へのパフォーマンスでしょうし、苦労しますね。

「カスト少尉、こちらへ」

「あ、はい」

 それを見ていると後ろにいた軍人さんに中に入るように促されて、私は近くの扉から中へと入ります。

「やあ、謹慎者。護衛付き?」

「あ、ホアさん」

 中に入って掛けられた声に顔を向けると、1人の女性が立っていました。長い黒髪を花飾りの綺麗な髪留めでしばっている少し肌の色の黒い女性、元ベトナム人民軍代表候補で今回の件で赤道連合の代表候補になったグエン・ティ・ホア少尉。
 今回の演習に参加するために所属する部隊から引き抜かれてきた精鋭です。それに加えて使用しているISはかなり特殊なものでそれも関係しているものと思われます。

「ああ、お疲れさま。こっちで引き継ぐから護衛はいいですよ」

「は? いえしかし…」

「代表候補でISを持っているので大丈夫ですよ。ご心配なく」

「了解しました」

 ホアさんが私の後ろの人たちを下がらせてくれました。そのままホアさんは踵を返すと私の前に立って無言で先導していきます。
 ちなみにこのホアさんは会ったのは昨日が初めてです。ベトナムに関しては近いとは言え赤道連合に関与する前は会う機会なんてありませんでしたし、候補生のデータベースで見た顔だけしか知りませんでしたね。

「とりあえずはブリーフィングルームに集合とのことです。先ほどクロエさんも戻ってきていたので後から合流してくるでしょう」
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