第一部
新たなる敵
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例えばだ。
もし貴方に、終生のライバル、宿敵がいたとしよう。
顔も良くて性格も良い。勉強も運動も出来る凄い奴だ。
自分は、どうしてもそいつに勝ちたい。友達とは認めていても、自分のプライドを守るために、どうしても勝たなくてはならない。今まで、そいつ以外には負けたことがないからだ。そいつが現れるまでは、自分は常にトップを独走していた。なのに、そいつにだけは何をしても勝てない。
貴方は、そんな彼、または彼女に勝つために、血も滲むような努力を続けていたとしよう。
ならば、そんなライバルが、突然現れた転校生に敗北したとしたら、貴方はどう思うだろうか?
ザマアミロと思うだろうか?それとも、自分が倒すはずだった相手を横から奪うなんて何考えているんだと憤るだろうか?この辺りは、その人物の性格が如実に現れるだろう。
彼は、後者であった。
別に、ライバルの事を友人などと考えていた訳ではない。彼にとって、その相手は間違いなく『敵』であった。・・・が、それでも彼にとっては、その相手は何時の日にか必ず超えなければいけない巨大な壁であった。しかし、それがとある人物によって、何時の間にか破壊されていたのだ。
彼は怒り狂った。
たかが数十年しか生きることが出来ない人の子の分際で、私の数千年を無に帰すとは一体どういう了見だと。自分がどれほどの思いを込めて、今まで生きてきたと思っているのかと。奴を倒すのは、自分の役目だったのに、と・・・。
・・・だから彼は、現世に降臨した。
身の程知らずの馬鹿を懲らしめる為に。
そしてその後、何の憂いもなくもう一度ライバルに戦いを挑む為に。
・・・だから、そう。
この戦いは、必然だったのだ。
☆☆☆
船は今、沖縄の近くの海をユックリと進んでいた。このまま、既に買い取ってある近くの無人島に停泊し、そこでホテルを即席で創って何日も遊び倒す予定である。
さて、あと数十分もすればその無人島が見えてくるという場所で、アリスと甲板で談笑していた鈴蘭の元へ、白井沙穂が突然現れた。どうやらかなり急いでいたようだ。
「ん?どうしたの?」
「何か、ピリピリするのです。何かが近づいて着てる気がします。」
「・・・ヤバい奴?」
「結構楽しそうなのです!!!」
とてもいい笑顔である。
勿論、この場合の『何か』というのは、カンピオーネの第六感を刺激する程の強力な存在・・・つまり、神か、それに類する神獣などの脅威の事である。そして、沙穂が『楽しそう』と評するからには、かなりの力量を持っていると思われる。・・・何故なら、彼女もドニやヴォバンと同じく、かなりの戦闘狂だから。というよ
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