第一部
新たなる敵
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きくなり始めたところで、鈴蘭は躊躇いなくそのボタンを押し込んだ。
「あ・・・っ!」
余りに呆気なく押したので、止める機会を逸してしまったアリス。だが、彼女が絶望を感じる前に、船から大音量で警告音が響き始めた。
『脅威の接近を感知しました。これより当船は防御モードに入り、隔離世に潜行後、全速力で最も近い陸地を目指します。乗客の皆様は、席にお座りになり、シートベルトをお締め下さい。』
そのアナウンスと共に、何か薄い銀色の膜が船全体を覆っていく。それと同時に、船の剥き出しになっている甲板などの上部にも、透明な薄い何かが出てきて密閉した。
「これは・・・・・・!?」
今まで、様々な魔術や権能を見てきたが、こんな不思議な物は初めて見たアリス。鈴蘭に、「触ってみる?」と言われ、恐る恐る、突然出現した透明な何かに触れてみる。
「・・・コレは、何ですか・・・?」
ぷにぷにとしている癖に、何処か硬さを残している。そんな不思議な手触りの物が、船を覆っていたのだ。
「外に展開しているのはエネルギーフィールド。元々は、魔人や神殿教会の技術だね。で、内に展開しているのは、ドクターの最新作”神水銀”だよ!この船の”耐神構造”の要!ありとあらゆる衝撃を吸収して無効化するんだ。この二層のフィールドで船を守りながら、安定して戦える陸地まで行くのがこの船の基本。・・・単純な物理攻撃なら幾らでも耐えられるんだけど、ドニの”斬り裂く銀の腕”みたいに、概念付加系統の攻撃は防ぎようがないからね。万が一の事も考えて、さっさと陸地に辿り着く事を最優先にしているんだ。」
因みに、隔離世に潜行しているのも時間稼ぎの一種である。周囲に及ぼす被害を最小限に抑えられるし、敵が此方を発見するのにも多少の時間を稼げる。
『凡そ三十分程で、近くの無人島へと到着いたします。暫くお待ちください。』
そのアナウンスが流れたと同時に、沙穂がピクリと反応し、空を見上げた。
「・・・来ました!!!」
そこには・・・
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