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王道を走れば:幻想にて
第四章、その6の3:一線 ※エロ注意
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・んん・・・」
(・・・す、少しなら、いいよな。寝てるから・・・ちょっとは・・・)

 慧卓は喉の奥に生唾を押し込み、寝台に乗っかってアリッサに近付く。接近すればするほどに理解できる、彼女の凛々しさと妖艶さ。被虐的な性質を持つ者なら、平伏したいと無自覚に思えるほどの凛然とした唇。そこからは穏やかな寝息だけが毀れているが、どこか恥らうような色気も篭められているのが妙に倒錯的で、そそるものがあった。狸寝入りをしているというのも考えられるが、普段の彼女を知っているだけに、此処まで羞恥を触発される格好を彼女がするとは思えないものであった。
 唇と美顔を見詰めたいと思う気持ちもあったが、慧卓が手を伸ばしたのは彼女の腰部であった。同姓であれば嫉妬も禁じ得ないすらっとした腰に指先が触れる。吸い付くような瑞々しい感触に驚くも、指はそれを堪能している。臍を掠めるように掌を蠢かす。麗しき肌を犯すような感じがして、慧卓の内に興奮が込み上げる。そしてその手を徐々に徐々にと、一瞬一瞬に伝う肌の温もりを覚えながら上へ這わせ、右手の中指が彼女の乳房を突いた。慧卓の中で思わず、感動が生まれる。

(うわ・・・柔らかい・・・)

 爪先が埋まるかと錯覚してしまう包容力。ほんの僅かに触れただけで形を変える繊細さ。このまま触り続けたいという気持ちもあったが、一応慧卓は声を掛けた。

「アリッサさん、起きてる?」

 帰ってくるのは寝息だけ。それならばと慧卓は指を顕となった乳房の半球に這わせた。一点の染みも無い肉肌の丸みは蠢く指を歓迎しているかのように形を変え、そっと押してやるだけで指先を包んでくれる。充分にそれを堪能した後に、慧卓はちろっと俄かに上を見遣り、指を向かわせる。寝巻きに覆われた胸の頂点にある小さな突起らしきものを、慧卓は指先で摘んでみた。

「・・・んあ・・・」
「!!」

 艶やかな息に心臓が止まりかける。しかし再び安定した寝息が続けられるのを聞き、慧卓は再び淫らな欲のままに手を這わせた。薄絹の触り心地もいいが、それ以上に胸の柔らかさは素晴らしいものであった。初々しき心の慧卓は、好奇心にも似た欲求のままに彼女の寝巻きに指を掛けて、ぐっと胸に緊張を抱えて、その布を上へたくし上げた。

「・・・ぅわぁ・・・」

 美しき丘であった。過度な大きさなど要らぬ天然の稜線。雷鳴に照らされるのは、傾国の美の如き丘である。犯しがたき聖上の美麗さを兼ね備えた、稜線の頂点にある桜。そっと上に手を置けば 丁度掌に納まってしまう。掌の真ん中に小さき出っ張りが当たり、こりこりと潰れるようだ。慧卓は罪を犯したようなふわりとした感覚に陥る。誰も彼もが注目する美麗な騎士を、彼女の意識の無い内に弄ぶというのは、心を掻き立てて仕方の無い状況であったのだ。
 一つ罪を犯してし
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