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【完結】剣製の魔法少女戦記
第二章 A's編
第二十五話    『いつもの朝の風景』
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しい組み手を終了させて私は懐から恒例の漢方薬を取り出す。
それを見てなのはは隠しもせず「うぇ…」という表情をしたが、未だになれないかな? 半年間はずっとこれを使っているのに…。

「ほら、そんな顔しないの。これを塗れば後の疲労はすぐに解消するんだから。
私の師匠直伝の漢方薬だからとっても効果あるのよ? なのはももうその効果は十分身に沁みて知っているでしょうに…?」
「そうなんだけどぉ…やっぱり塗った直後はとてもピリって来るからちょっと苦手なんだよね」
「贅沢言わないの。アリサは初めて使った時なんか『くぅー…この全身に染み渡る痺れ、癖になりそうだわ』とか言って嬉々として製造法を聞いてきたくらいよ」
「え!? アリサちゃんもこの塗り薬愛用しているの!?」
「ええ」

私は話しながらも油断しているなのはの腕に薬を塗っていった。
その直後にまるで猫のような「にゃあああっ!!?」という叫びが木霊したのは、まぁご愛嬌…。


◆◇―――――――――◇◆


それから二人は家に帰宅した。
その際、シホはなのはに、

「それじゃお風呂に入ってくるから…その、美由希姉さんには内緒にね」
「う、うん…最善は尽くしてみるね」

シホはなのはに手を合わせながらお願いをしてなのはは少し顔を引き攣らせながらも頼まれてくれた。
なぜなのはも顔を引きつらせているのかというと、以前のシホの真相暴露以来、シホはてっきり一緒に入るのはやめてくれるかな…?と淡い期待と少しの寂しさを感じていたのだけれど美由希はそんなシホの考えをあっさり覆してくれた。
そう、その話以来から美由希はより一層シホとお風呂に入るようになったのだ。
それでなのはも美由希の大胆な行動に関して少し引き気味だったりするのである。

それはともかくシホはそうとだけ伝えて、着替えを持って脱衣場に向かっていった。
そこで当然ながら服を脱ぎ始めるシホ。
だが、無意識なのだろうがリボンを解いた後、まずスカートから脱ぎだし次にスパッツ、上着、最後に下着を脱いで丁寧に籠に折り畳んでタオルを持ってお風呂場に入っていく姿はまさしく女の子。
その後も髪や体を洗う仕草は、以前の男性体ならば気にせずガシガシと大雑把に洗っていただろう…今はそれはもう丁寧に優しく硝子細工を扱うように洗っている。
以前は元はイリヤの体だから大事に扱わなければという思いで洗っていたが、今ではもう自然な動作になっている。
最後に頭からお湯をかぶり泡などすべて洗い流して、それからお風呂に浸かるために腰まである長い髪をタオルでまとめて浸かった。

「…ふぅぅ。やっぱりこの時がお風呂での一番の醍醐味よねぇ」

シホはこの瞬間が一番の至福の時だと感じている。
だが、それと同時にこの瞬間こそシホは周囲への警戒心を一
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