第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第38話 《リズベット武具店》
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いる内に、あとから工房に入って来たシリカはリズとガールズトーク(俺は少なくともそう見えた)に入る。
その話している二人の横で、俺はウィンドウを出してテーブルや椅子、そして予め作ってきた料理を取り出すことにした。
「シリカ、リズ。話はそのくらいにして、メシ用意したから食べようぜ。……話は食べながらにでもしよう」
「あ、はい」
「そうね」
話を止めて、それぞれ返事をしてから用意した椅子に座り、俺のそれに合わせて座る。
座った後、俺は用意していたドリンクのグラスを手に持ち立ち上がる。二人も俺に合わせてグラスに手をかけた。
「それじゃあ、改めて――リズ、開店おめでとう! 乾杯!」
「おめでとうございます!」
「ありがとー!」
言葉と同時にそれぞれのグラスを重ね合わせて音を鳴らせる。
椅子に座りなおして、ご飯を『さぁ、食べよう!』という気になり、いきなり食べ始めようと考えていると、
「……いやー、本当にありがとね! 頑張ってこの家買ったかいあったよ……!」
俺とシリカのお祝いの言葉を聞き、少し感動したような声で言ってくるリズ。
「そうだな。……でも、露店販売からしっかりとした店になったんだから、もっと頑張らないとな」
「もう、分かってるわよ! でも、少しくらい気を緩ましても良いでしょ!」
「……わ、悪かったよ。確かに今の空気で言う言葉じゃなかったな……ごめん……」
そうだよな。今のはどう考えても俺が悪い。もうちょっと気の利いた言えないのか、俺!
「……別に良いけどね。……シュウってコミュニケーションとか苦手そうだし……」
「うっ!!」
リズはため息が混じりそうな声で、俺の苦手なことを見事に的中させながら言ってきた。
「わ、悪かったな。でも、SAOに来てから大分マシになったんだぞ……」
主にシリカのおかげで。
「ならもっと鍛えた方が良いよ。そうしないと好きになってくれる女の子もいなくて、彼女も出来ないわよ〜。そうよね、シリカ」
最後の方は冗談とからかうような口調で言って、シリカに同意を求めるリズ。
「え!? あ〜、え〜と……そ、そうですか……?」
シリカは返事に困りながらも、リズの意見に弱めにだが否定する。……そりゃあ、同意しにくいよな。俺の妻として。
というか…この話の流れだと、俺がどう考えても損をしそうなので、
「あー、もう! この話はヤメヤメ! さぁ、速く食べよう!」
盛大に話をそらす事にした。
「……そうね」
「……そうだね」
俺のあまりに分かりやすい話の変更に、二人は少し黙るが、話を戻すのが面倒なのかもう良いのかは分からないけど、俺に同意して料理に手を付け始めた。
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