暁 〜小説投稿サイト〜
SAO<風を操る剣士>
第一部 --SAO<ソードアート・オンライン>編--
第六章 《圏内事件》
第38話 《リズベット武具店》
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 2024年03月14日木曜日――最前線『第五十七層』



 リズが四十八層《リンダース》に《職人用プレイヤーホーム》を購入して、お店《リズベット武具店(ぶぐてん)》を開き始めて4日が経った。
 その4日目のお昼、俺とシリカは『やっと時間が空いたから、お祝いでもしましょうよ!』とメッセージが届いたので、リズが店を開いてから初めてリズに顔を見せに来ていた。
 ……多分、メッセージの意味を要約すると『あたしの為にご飯作って!』ってことなんだろうなぁ。


「おー! 意外とちゃんとしてるな!」
「そうですね。特に外の水車がとっても良いですね!」
 そしてお店に入る前にシリカと一緒に、リズのお店がどんな感じなのか外から見ていた。
 正直、リズがこんな立派なプレイヤーホームで仕事しているイメージが()かない。……失礼かもしれないが……。
 でも良く見ていると、リズらしいっていえばリズらしい気もする……か? ……まぁ、良いや。とりあえず中に入ろう。

 店を見るのはこれくらいにして、シリカと一緒に店のドアに近づき、俺が先に開けて入る。
「おーい、リズー。来たぞー」
 俺は店にお客を含めて誰もいないので、リズのことを呼ぶが……返事が無い……。
 もしかして留守(るす)か? と思ったが、奥にさらにドアが見えて閉められている。
「奥……か?」
 俺は奥のドアに近づく――すると、ドアを開ける前に《聞き耳》スキルを上げている俺の耳に、向こう側で『カァーン』という音が聞こえ、それが何回も続く。

「どうしたんですか?」
「シリカ、集中してドアの向こうの音を聞いてみな」
「……なるほど……」
 ドアの前で立ち止まった事を不思議そうに聞いてきたシリカに、立ち止まった理由を教えると、シリカは耳を()ます。そして、納得したような顔になった。

 俺が立ち止まった理由、それはリズが剣の強化…もしくは何らかの武器・防具を作っている音が聞こえた為だ。
 リズは武器と防具作成・強化のハンマーを叩く際に、物凄く集中して叩くことにポリシーのような物があるらしい。なので、その邪魔をしてはいけないと思ったのだ。……シリカもちゃんとその事がわかったらしい。



 その後、リズの店に並んだ武器などを見ている内に、ハンマーの叩く音が終わった。
 再びドアにシリカと一緒に近づき、今度はちゃんとノックする。
「はーい」
「来たぞー」
 ドアの向こうからリズの声がしたので再び来たことを伝えた後、ドアを開く。

「へぇー、意外としっかりしてるなー」
 ドアの奥に入ると、そこは意外としったりした工房だった。
「こんにちは、リズさん。お店の開店、おめでとうございます!」
「ありがとう、シリカ」
 そんな周りを見渡して
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