第二十三話〜本音〜
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
たのだから。
ライ「みんなに本当のことを言うのは確かに怖い。それは僕も同じだった。」
ライの真実を知る者は元の世界でも極僅かな人間だけである。それはそうしなければならない理由があったためだ。
だからこそなのはの気持ちの一部をライは理解できた。
ライ「言葉だけでは気持ちは伝わらないかもしれないけど、僕には言葉にするしかないから言うよ。」
ライはなのはを落ち着かせるように頭を撫でながら言葉を紡ぐ。
ライ「僕は仲間が苦しむところは見たくない。確かになのはが我慢すれば他のみんなは笑顔かもしれない。でもそれだとなのはが笑顔になれない。だから図々しいかもしれないけど僕の前では泣いてほしい。」
なのは「で…も……」
ライ「今までよく頑張ったね。」
その言葉とライから伝わる温もりが嬉しかった。なのはは顔をライの胸に埋めて泣き始める。今まで何が怖かったのか、そして何を我慢してきたのかを吐露しながら。何かに怯える子供のように。実際、彼女は子供の頃の体験により、1人で溜め込み他人に弱みを見せないようになっていた。
だから知らなかったのだ。泣き方を。弱みを見せるということが見せた相手を信頼することができるからこその行為であることを。
ライは泣いているなのはの背中を撫でていた。時折なのはの言葉に相槌を打ちながら全てを受け止めるように。
なのはが泣き止んだとき既に陽は沈み、辺りは真っ暗になっていた。
ライ「落ち着いた?」
なのは「……うん。」
なのはは顔をライから離し、今は少し俯き気味になっている。泣き止んだ当初はライに抱きついていたことと自分の涙で濡れたライの服を見るのが気恥ずかしくて真っ赤になっていたがそれも落ち着いていた。
なのは「……ありがとう…」
ライ「ん?」
なのは「そう言いたくて……」
なのはの言葉にライは笑顔で答えた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ