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SAO−−鼠と鴉と撫子と
26,良かった
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に減っていく。その顔は恐怖で凍りついていた。

「クロちゃん、ゴメン……」
震える唇は気のせいか、そんな言葉を口にした気がした。

涙で視界が歪む。謝るのは俺の方だ。
俺を助けようとしたばっかりに。俺を救おうとしたばっかりに。

こんな俺のために、人がまた死ぬ。

「あああああああああ」
無理矢理にでも動こうと、残る手足をばたつかせる。虚しい抵抗は、残る手足に剣を突き刺され、呆気無く終了した。

「やめてくれ、頼む。俺の命でも何で好きにしてくれ。だから、だから……」
「It's show time 。よく見とけ。今生の別れなんだ!!」

最後の一撃のために一際、刀が振り上げられた。

グッと頭の片隅で浮かべていた最後の光景が現実味を帯びた。
刀が加速していき、残像は短剣のようではなく、一本の鎌のよう。
その一撃はアルゴの体に深々と突き刺さり、アルゴの体はガラスの割れるように幾千万の星屑と――

なっていない。

最悪のシナリオは刀が加速することなく、終わりを迎えていた。
PoHは刀を止めて、一方の方向を見つめている。
俺の上に座っていたオレンジもそんなリーダーの様子を見て、立ち上がり、俺の右腕から自分のエストックをヒュン、と引きぬいた。

暗闇から、カタンカタンと音がする。
出てきたのは背景と代わり映えのしない黒一色のプレイヤー。

手に携える片手剣とその瞳だけがギラギラと光輝いていた。

「D'oh!さっきからお楽しみタイムを邪魔しやがって。B級のヒーローショーじゃねえんだぞ!!」
「俺はそういうの好きだぜ。決まって遅れてきた主人公は悪の親玉を斬り伏せる」

そう言って、キリトは剣をしっかりと構えた。

「キリト……」
「クロウ、心配するな。俺はひとりじゃないから」

そういえば、先程から地鳴りのような振動が下層から響きわたってきている。
それがキリトの指す援軍だとすれば、その数20は下るまい。

「お前らだって2対20はゴメンだろ?それでもというなら相手になるぜ。オレンジ野郎」

「……god damn」
そう言って、PoHは剣を引いた。
後ろで同じくエストックを構えていた仲間に「XAXA」と短く告げると、二人して落とし穴の中に飛び込んでいった。

「……んな」
キリトが驚愕の表情を浮かべ、すぐに落とし穴の縁へと走りこむ。
そして、しばらくして苦笑いを浮かべ、俺達の元へと歩いてきた。
「穴の中に、いくつかの剣の跡があったよ。上手く逃げられた」
そう言って、俺の手足に残されていた剣を引き抜いていく。

再びレッドゲージにまで到達していた俺だったが、最後の剣が抜けた瞬間にズルズルと這い進んだ。

「アルゴ!!?アルゴ!!?」
アルゴの胸は上
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