暁 〜小説投稿サイト〜
くらいくらい電子の森に・・・
第十章 (2)
[9/9]

[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話
。感情を伴わない理屈なんて、誰の心にも届かないよ。聞いた時点で理屈は分かった気がしても、結局みんな忘れちゃうの」
「…だけど柚木」
「だから、今の姶良は良かった」
そう言って、柚木は悪戯っぽく笑った。
「私に伝えたいって思って、喋ってた。『どうせ伝わらない』じゃなくて。…だから、分からない言葉が多かったけど伝わったよ」
そして僕の手に、空の缶コーヒーを返してきた。
「納得はしてないけどね。相変わらず理屈っぽいし…性分なんだろうけど、全部そればっかりになっちゃダメだよ。まずはおごった珈琲の缶を自分が捨てに行く、そんな不条理から学び取りなさい」
「……おい」
言い返そうとしたけど、柚木はすでに鼻歌交じりで階下に続く階段を降り始めていた。…ずいぶんあっさりしてたけど、僕の言いたいことは本当に伝わったのだろうか。不安を残しながら、僕も階段を降りた。

<i390|11255>
[8]前話 [9] 最初 [1]後書き [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ