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【完結】剣製の魔法少女戦記
第一章 無印編
第二十三話    『外伝4 各々の日常・すずかの異変』
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て、スッとまたフィアットの方に向き直り、

「…それで、後まだなにか聞きたい事があるの?」
「え?…どうしてわかったんですか?」
「いや、なにか聞きたそうな顔をしていたから…」
「あはは…そうですね。はい、私はこれでも一応スクライアの血が流れていますから語学の為にお姉様の魔術について聞きたくて…。
管理局には転送系と言っていますけど実際は投影という特殊な魔術の一つなんですよね?」
「ええ。フィアには隠す必要はなくなったから教えてあげるわ。
本来の投影魔術は自己のイメージからそれに沿ったオリジナルの鏡像を魔力によって複製する魔術。
でも、自己のイメージなんてそうそう完璧なものはないから穴だらけで綻びが生じてイメージを崩してしまうとすぐに霧散して消えてしまうの。
すでにないものをその場で作り出すなんて、それこそ矛盾の極みだから…。
だから使いどころが悪くて使い手もあまりいなくて、いても魔術の儀式で一時的にその場に再現するくらいの程度の低い魔術なのよ」
「…あれ? ですけどお姉様の投影魔術は消すか壊されない限り存在し続けていますよね?」
「そう、そこが普通の投影と私の異常な投影の違いなのよ。
前に一度真実を隠す嘘で私には“武器庫”があるっていったわよね。
でも、あながちそれも嘘ではないのよ。
私の投影は一度見た―――解析の事ね―――事があるものなら私の心象世界に登録されてそれを何度でも作り出せるものなのよ」
「お姉様の過去の話に出てきた“固有結界”という魔法に最も近いという禁呪の事ですね」
「そう。今はイリヤの魔術回路が私の中には別に存在しているから使える魔術のレパートリーは増えたけど、本来私が使える魔術は固有結界という魔術一つだけ…。
強化に投影、解析、変化といった魔術はこれから零れ落ちた副産物に過ぎないのよ。
そしてその固有結界“無限の剣製”があるからこそ私は一から十までをすべてイメージできて投影したものは世界の修正に逆らっていつまでも存在し続けるもの…。」
「そ、それじゃ今まで使用した武器もすべてお姉様が魔力だけで作り上げた贋作という訳ですか!?」
「そういう事。真偽はともかくとして私の投影は限りなく本物に近い贋作を作り出せる能力と言うこと。
ただ、私の属性は“剣”だから武器以外のものを投影すると魔力もより喰うし、なにより外見だけで中身が空だからあまり自慢できる能力でもないわね」

それを聞いてフィアットは反論の声を上げた。
シホは自慢できるものではないと言ったが、話を聞く限りシホの魔術は異常を既に通り越している。
それなら確かに封印指定というものを受けてもしかたがないが、フィアット達の世界にしてみても生唾モノの能力である。
だからフィアットはシホに、

「そんなに自身の能力を卑下しないでください。
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