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番外編
仮面の男
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部屋が赤く照らされ、どんどんモンスターがポップしてくる。

「まずっ!!やっぱ一つにしとけばよかった!!」

 毒付きながら転移結晶で素早く脱出をしようとする。しかし、街の名前を叫んでも転移しなかった。

「もしかして、結晶無効果フィールド!?」

 その瞬間、このモンスターの群れを倒さない限り自分は出られないことを悟る。

「もう、なんて日なのよ!今日は!!」

 そう叫んで、武器を構え、敵軍に突っ込んだ。しかし、数分もしないうちに武器が破損した。その理由は、クラッシャーと呼ばれる爪を装備したゴブリンが数十を超えるか数でいたからだ。そのせいで、武器の消耗が急激に上がり、すぐに壊れてしまった。装備の片手剣を三本しかなく全て壊れたため今は盾バッシュで何とかしているが、もうそれも持ちそうにない。自分の死を悟ったかのように走馬灯が見える。小さい頃に姉と遊んだ日、明日奈と一緒にショッピングした日、たくさんの思い出が横ぎっていく。そして、盾も壊れて完全に無防備な状態になった。体術のスキル持っとけばよかったな、そう思いながら、キュッっと目をつぶる。その瞬間、

「お、ここ、いいレベルあげになりそうじゃん。なあ、この狩場もらっていいか?って言ってもお前が死にそうだから勝手にもらうけどな」

 この絶望的な状態にとどいた声は、このモンスターの群れを見ていっさい怯まず、自分のレベルあげにちょうどいいと言い出した。目を開けて声の方を見る。その男は身長は百六十の私の頭一個分背が高く、顔は額から鼻まで隠す仮面をつけ、表情は見えないが、少し焦っているように見えた。そして、男は素早く両手剣を背中から取り出す。すると奇妙な構えをした。両手剣を逆手に持ち、中腰、もう片方の手を両手剣を持った手首の上辺りに構えを取った。

「じゃ、行きますか!」

 彼のスピードは早くなかった。しかし、攻撃は私の目にはとてもじゃないが追えなかった。彼が構えたら、もうすでに振り終えているところまでいた。そして、次々と敵を薙ぎ払っていく。そして、十分もしないうちに部屋を満たしていた敵がもういなくなっていた。

「あ、ありがとうございます」

 助けてもらったためお礼を言う。男は優しい口調でいいよと言う。

「だけど、もう危ないことはするなよ。こういう部屋のアイテムはスキルレベルの高い罠師とかいなきゃ確実に引っかかる仕組みなんだからな」

「す、すみません」

「でも、ほんと無事でよかった。目の前で人が死ぬトコなんてあんま見たくないからさ」

 そう言ったときの仮面の彼の感じは、どこか哀愁を帯びていた。

「まあ、こんな話は無しにしといて、これ飲んどけよ」

 そう言って、ポーションを渡された。栓を外して飲む。酸味のある抹茶のような味が口に広が
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