第百六十七話 彼方への扉
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郎だった。
そして一矢も言う。
「戦争で傷付く人もいればそれで醜い利益を得る奴もいる」
「君はわかっているというのか」
「わかっている!俺はそれを見てきた!」
はっきりと言い切ったのだった。
「御前はそれを見ようともしない!わかった顔をしているだけだ!」
「では戦わずに今の事態を収められるというのか」
「まだ言うのか」
「こいつは」
「我等と君達は同じだ。戦いの中で成長していっている」
「冗談じゃねえ!」
闘志也も叫んだ。
「俺達は戦いが続く世界なんかまっぴらだ!」
「そうだ」
マリンも続いた。
「平和がどれだけいいものか。それがわからないのか」
「だがこれからの世界はだ」
ヴィンデルの言葉は続く。
「戦いを望む者だけが生き延びるのだ」
「その根拠は何だ!」
「言いなさいよ!」
テリウスとセニアの姉弟も怒りを覚えていた。
「あくまでそう言える根拠は!」
「何だっていうのよ!」
「今が何よりも証拠だ、君達も戦いによって」
「そしてか」
オウカの言葉は氷の剣だった。
「自分達で訓練として戦うというのか」
「それが進化だ」
「関係のない人達まで巻き込んだうえで」
「そうだ」
それも肯定するのだった。
「戦いがはじまれば人は戦わざるを得なくなる」
「そう言うのですね」
デメクサも珍しく怒っていた。
「貴方は」
「己自身が生き残る為にだ」
「ふざけんな!」
今叫んだのはバサラだった。
「手前のその理屈は他の奴に押し付けられるのかよ!」
「そうよ、バサラの言う通りよ!」
ミレーヌも言った。
「あんたの理屈!全然意味がないわよ!」
「一つ言っておく」
ヒイロが静かに告げてきた。
「俺達が戦う理由はだ」
「何だというのだ?」
「戦いを止める為だ」
こう言うのだった。
「御前の様な奴によって罪のない人達が巻き込まれない為にだ」
「ああ、そうだな」
「その為にだ」
デュオとウーヒェイも言う。
「俺達は戦ってるんだ」
「御前達の様な者達とだ!」
「まるで正義の味方ね」
レモンの言葉は突き放したものだった。
「これは」
「下らん」
ヴィンデルも言い捨てた。
「見込みがあると思ったが」
「そうですね」
「この世界も愚か者の集まりだ」
「いや、それは違う」
「貴方にとって残念でしょうけれど」
今度言ったのはトロワとカトルだった。
「愚かなのは貴様だ」
「その通りです」
「何っ、私が愚かだと」
「手前が馬鹿じゃなくて何だってんだ!」
勝平が彼に叫んだ。
「一体何だってんだ!自分の考えを押し付けるな!」
「愚か者にはそれが必要なのだ」
「そうか、あくまで認めないのか」
「話にならないわね」
宇宙太と恵子も言った。
「それならだ」
「もう
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