アインクラッド編
回想――別れ
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「せああっ!!」
モンスターのクリティカルポイントである首。そこを渾身の力で振るった剣先で跳ねとばした。
ギガアッ、と悲鳴を上げて首が飛んでいく。
その一撃でHPを全損した敵の死に様に目もくれず、キリトは振り返り様に3連撃ソードスキル最後の一撃を使い、同じく弱点である心臓の位置を正確に貫いてもう一体の息の根を止めた。
ソードスキルに科せられた硬直時間中に背後からどかっ、と殴られて不快なしびれが体中に駆けめぐる。
キリトは自分のHPが黄色に染まったのを視界の端で捉えた。
だが、目に映る他の4人――――サチ、ダッカー、テツオ、ササマルらのHPはすでに赤色に変わっている。
自分のHPの残量など気にしている暇すら惜しい。
「邪魔だっ・・・・!!」
背後から攻撃を仕掛けてきていた敵も一撃で切り伏せると、現状使える最多連撃数の5連撃ソードスキルで5匹のモンスターを殺す。
またしても技後硬直に攻撃を受けそうになるが、背後から迫ってきていた棍棒のような武器を体術スキルの単発足技、〈尖撃〉で跳ね返した。
異なる武器カテゴリのソードスキルは技後硬直を無視して発動できることは実証済みだ。
けれでも、このことはあまり多くのプレイヤーに広まっていることではない。
自分の手の内を晒したくないので、人目のある場所で使う機会はなかったが、
そんなことを気にする余裕すらなかった。
何匹かのモンスターが4人の方へと向かっていくのを視認したキリトは瞬時に剣を振りかぶった。
「はああっっ!!」
裂帛の気合いの声と共に剣を地面へと叩きつけた。
片手剣カテゴリには数少ない移動阻害系ソードスキル〈セレーション・ウェーブ〉が発動。
ノコギリ歯のような波動が円形に広がり、動いていたモンスターの足を絡め取る。
相手の動きを止めることを目的とした技でありダメージは大したことがないが、圧倒的レベル差のおかげだろう。
モンスターたちのHPは一気にイエローゾーンまで割り込んだ。
そして、攻撃を受けたことによりタゲがキリトへと移った。
振り返ったモンスターが各々得物を持ち、キリトへと襲いかかってきた。
他にも何十匹ものモンスターが四方八方から接近してくる。
「さっさと・・・・・・消えろっ!!」
全方位から襲いかかってきた敵にキリトも剣にライトエフェクトを纏わして応えた。
「これで・・・・・・終わりだ・・・・っ!!」
目の前に残っていた1匹の心臓部分をキリトの剣が深々と貫き、殺した。
ギャアッ! と短い悲鳴が敵の口から発せられ、体が幾万もの破片へと変わり消滅した。
それで最後だった。
戦闘は20分近く続いて、そこで終わった。
「はあ、はあ・・・・・・・」
最後の1体をポ
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