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SAO編−白百合の刃−
SAO31-スズナの涙
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た。
 でも駄目だった。何度説得してもスズナが消えることに対して納得できなかった。
 スズナとお別れEND? そんな結末、私も、私と同じようにデコピンしてきたドウセツも認めていなかった。
 ほんと、冗談じゃない。勝手に壊すような指示してきたくせに、異物扱いとして消滅させるとか何考えているんだ。そう思うと、スズナもスズナで受け入れようとしているのがなんかムカつく。デコピンくらい軽いものだと私は思うんだ。
 
「あ、ドウセツ。なにしているの?」

 コンソールである黒い石に近寄り、出現した青白いキーボードに手をかけ、打ち込んでいた。

「スズナを消滅させない方法を思いついたから、それをやっているの」
「私は必要?」
「必要ないわ」

 ドウセツは振り向くことなく返事をしつつスズナの救出を始める。流石ドウセツ、本当に頼りになるし、いつも助けられている。

「あ、あの」
「ねぇねぇ、ドウセツ」
「なに? ふざけた発言したら貴女自身をデリートするわよ」
「恐ぇよ! 私を消滅するよりスズナを消滅させない方法をやってよ!」
「今やっている。話かけないで」
「そんなふざけた発言じゃないから、聞いて!」
「いつもみたいにふざけなければね」
「それじゃあ、いつもふざけているみたいじゃないか」
「…………」
「返事無し!?」
「うるさい。集中できない。いいから用件を言って」
「はい、申し訳ございません」

 ギュッと抱きしめたスズナの顔を覗き込むと、少し不安な表情をしていて戸惑っていた。ユイちゃんのように喜怒哀楽ができないって言っていたけど、そんなことないと思うんだよね。

「スズナのことなんだけどさ、私達の娘にしていいよね?」
「いいんじゃない? どうせスズナは異物として消去されるのだから、私達がもらっても構わないんじゃないの?」
「じゃあ決定!」
「き、キリカ様、ドウセツ様。わ、わたしはもう……」
「呼び方違う!」
「え?」
「呼び方……私達のこと、なんて呼んでいた?」

 スズナは黙りこみ、ジッと私に見つめて呼びだした。

「……お父様……いえ、お母様でしょうか」
「それはどっちでもいいよ。もちろんキリカ様以外でね」
「では……キリカお母様」
「はい、スズナ」

 今度はスズナを消滅しないように作業している、ドウセツを見つめて呼びだした。

「……ドウセツお母様」
「なにかしら、スズナ。今、ちょっと貴女のことで忙しいから後で聞くわ」

 私達はスズナの名前を呼び、そして自分の娘のように温かく迎える。だって、スズナは私達の家族なんだから。

「わたしは……AIです。お二方の娘ではありません」
「さっきまではね。でも、今決めた」
「そ、そんなことする必要なんてございません
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