SAO編−白百合の刃−
SAO31-スズナの涙
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ないよね?」
「残念ながら、ドウセツ様がおっしゃった通りでございます」
「スズナ……?」
「ユイは異物として扱われ、消去されるでしょう。そしてユイの監視とケアをするわたしの役目もなくなり、カーディナルの命令よってわたしも異物扱いとして消去されるでしょう」
幼い外見をした少女が乏しい感情で、
「ドウセツ様がおっしゃった通り。わたしは消えてしまいます。ですからわたしがこれ以上ここにいる必要はないのです」
自分が必要ないから消えるということを私達に告げたのだ。自分が消えるという事実を平然として受け止めたような顔をして、怯えることも悲しむことも涙を流すこともなく、淡々と事実を教えてくれた。
…………なんだろうな。ドウセツもスズナもおちついているから、私もそれに影響して動揺していた心が治まっておちついてきちゃったな。
スズナがそう言うなら、その通りでどうしようもなく、仕方ないのかもしれない。教えてくれた通りに、SAOを管理するカーディナルはスズナとユイちゃんを異物と見なし、消滅することは確実だろうな。
「キリカ様、ドウセツ様、今までありがとうございました」
これで終わり、か。なんか呆気ないお別れになっちゃったな。でも、これも仕方ないことなのかもね。いずれ遅かれ早かれ別れることはきまっていた。それが、スズナは人間ではなくAIで、その親は開発者であり、スズナ自身が消滅するという後味が悪いお別れENDになるだけなんだ。
仕方のないことだ。ここでスズナとお別れだ。スズナが別れることを選んだなら、私はそれを止める必要はない。だってスズナは私とドウセツと別れるのに、平然としているんだもん。きっとスズナは消えることへの恐怖などなく、消えるという結末を受け入れて納得したと思うんだ。
ならその通りに私は見守ろう。
…………。
……。
「さよ」
「えい」
「あうっ」
ビシッと私はスズナのおでこにデコピンして、同時にドウセツもスズナにデコピンを喰らわせた。
可愛い悲鳴が漏れて、感情が乏しい彼女の眼が心なしか涙目になっていた。そんな可愛い子には私が抱きしめてあげよう。
「キリ」
「納得できるか!!」
「!?」
しまった。衝動的に吠えたもんだからスズナがビクッと驚いてしまった。でも、後悔はしていない。後悔なんかするもんか。
今のはスズナが悪いんだもん。衝動的に吠えてしまったのはスズナにも原因があると思うんだよね。
だって、納得できるはずがない。
さっきまで乏しい感情ながらも泣きそうなのが伝わってきたのに、自分が消えることを口にしている時のスズナは平然とした顔で消滅することを受け止めていたから、私は納得しようといろいろと理由を探し続けた。そして自分で自分を納得して受け入れようとし
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