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SAO編−白百合の刃−
SAO31-スズナの涙
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明すると同時に思い出した。
 スズナは……。

「すみません。キリカ様、ドウセツ様。答えていませんでした」

 スズナは沈黙を破って話を再開した。
 冷静に、何を言っても同じことを返答するようなNPCのようにスズナは返答する。

「ユイが記憶を取り戻したのは、おそらくこの石に触れたからだと思います」そしてわたしはカーディナルの命令によって、記憶を取り戻しました」

 黒いカクカクとした一人分が座れる石に寄り説明をする。

「これはGMがシステムに緊急アクセスするために設置されたコンソールなのです。この部屋も『旧データ』ですが最新とはほぼ変わりありません」

 スズナが黒い石に触れると、突然数本の光の筋が走り、表面に青白いキーボードが浮かび上がった。

「ユイはなんらかの方法でこれに触れ、記憶を取り戻したはずです。そしてユイは何か理由でコンソールからシステムにアクセスをしたのです。それによりカーディナルのエラー訂正能力は作動し始めました。それにより、本来の役目を放置していたユイはカーディナルに注目されました」
「それでスズナもカーディナルに注目されたってことなの?」
「そうです、ドウセツ様。カーディナルがわたしにユイのことを教えてくれたのです。それによりわたしも記憶という物を思い出し始め、自分の役割を再認識したのです」
「……そう」

 ドウセツは一息つく。
 
「スズナ。貴女はこのまま消えるってことになってしまうのね」

 ドウセツは淡々と冷静に告げる。
 
「え……いや、え……な、なんで、なんで?」
「正確に言えばユイが消えることでスズナも消えるってことなのよ」
「いや、なんでユイもスズナも消えるわけなの!?」
 
 自分が今冷静じゃないから、理解不能でいるのか。自分があんまり頭良くないから理解できないでいるから私は納得できないでいる。だからドウセツに理由を求めた。
 でもどっちにしろ、ただ単にユイちゃんとスズナが消えることを認めたくなかっただけなんだ。
 それは多分、ドウセツはわかっている。わかっていながらも冷静に教えてくれた。

「ユイがコンソールからシステムにアクセスしてカーディナルに注目したってことは、システムがユイのプラグラムを走査しているはずなのよ。それでユイは異物という結論が出されてしまえば、消去という形になる。そうしたらユイを見守るという役割を持つスズナも不要され、同じ異物扱いとして消去されるはずだわ」

 それがスズナとユイちゃんが消える理由。一度役割から外れたイレギュラーとなった存在はカーディナルによって問答無用に消去される運命であると……そう教えてくれた。

「でも、そうならない可能性だってあるじゃない。ユイちゃんとスズナが元に戻るだけってこともないわけじゃ
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