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SAO編−白百合の刃−
SAO31-スズナの涙
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もむき))き、悩みや抱えている問題を解決し、精神を安定させる役割があったのです。しかし、カーディナルから指示されたものはプレイヤーに対する一切の干渉禁止でした」
「それって……まさか」
「はい、おそらくはキリカ様の察しの通りです。ユイはプレイヤーに接触することはできず、本来の目的をモニタリングするだけでした。わたしもプレイヤーのメンタル状態をモニタニングしていましたが……それはもう最悪でしたね。ほとんどのプレイヤーは恐怖、絶望、怒り、悲しみと言った負の感情に常時支配され、狂気に陥る人もいました。それは始まった日からだけではなく、月日が経っても負の感情から消えることはない。ユイは矛盾ともいえる状況のなか、徐々にエラーを蓄積させ、崩壊していきました」

 スズナの話を聞いて、胸がギュッと締めつけられたような痛みが走った。
 心当たりがあるって言い方はおかしいかもしれないけど、少なくとも狂気に陥ったことはあった。
 自分自身に絶望して、守りたかった相手を捨てるように逃げ、失った人の悲しみと、逃げた自分への怒りがぐちゃぐちゃに混じってしまった私は狂気とも呼ばれるような人間になってしまった。
 あの時の負の感情がユイちゃんに影響していたんだ……なんだか、申し訳ない気持ちになってしまう。

「そんなユイを治すのがわたしの役目でした」
「バクとかそうウイルスの削除みたいなものなの?」
「いえ、キリカ様。流石にそれはできませんでした」
「じゃあ、どうやってユイを治していったの?」
「歌です」
「歌?」

 それを聞いて、私は昨日ユイが苦しみ出したのをスズナの歌で解放させたのを思い出した。

「そもそもわたしが搭載される予定では、ユイのような解決方法ではなく歌で相手の精神を安定させる目的で作られたんです。音楽は人を癒すことができ、精神を安定することもできるためから、わたしはそういう予定で作り上げたのです。ですが直接話を聞いて解決する方が効果が良いと判断したために、結局わたしは搭載されたものの役目はユイに任せたのです。そして使われるはずだったわたしの歌はユイの精神を安定させるために使われました」
「それはユイにも効くの?」
「はい。どうやらユイに効くように新たに追加されたようです。しかし残念ながら根本的に解決することはできませんでした。プレイヤーの不安定な状態はあまりにも多く、歌でケアをしても崩壊する速度にはついていけず、逆にわたしまでもがエラーを蓄積され、崩壊していきました……」

 ユイのエラーを阻止するために、癒しを、安らぎを歌で救おうとしたのに逆に自分までもエラーになってしまった。そんな絶望に近い感情が二人を苦しめていた……。
 見知らぬところで、そんな風にさせなのは……私達プレイヤーであり、萱場晶彦さんだ。
 でも、どう
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